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>>38ミンティさん

「茜のせい？　あんなこと……？　というか、どうして茜はそんなに泣いてるんです？」

　継実はそう言って屈んで、茜の顔を覗き混んだ。赤い瞳。それはルビーのようだ。ルビーから溢れる雫もまた、宝石の欠片みたいだ、なんて思う。飴玉も宝石みたいだし、もしかしたらとびきり甘いかもしれない。
　継実は茜の腕を退けて、ぐいっと彼女の顔に自分の顔を近付ける。そうして、透き通る宝石の欠片をペロ、と舐めとる。

「……あれれ。全然甘く無いんですねー」

　そうやって茜に微笑みかけて

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>>39 シャードさん

「誰かいますかー？」

　城門前で声を上げる少女を見つけた。本来侵入者であれば排除しなくてはならないのだが、一見危険そうな女の子には見えない。武器特有の匂いもしないし、何か企てようとしている人間の心音でもない。
　ならば、彼女は──。

「おかえりなさい、アリス。このエリーゼ、何年アンタを待っていたかしら？　こんなに時を刻んだら、老けちゃうじゃないの」

　そう言って、柵を挟んだ向こう側の少女に柔らかく笑いかけた。