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>>59／よもさん
　
「可愛い……ふわふわしてる。目の色が綺麗……意外と大きいんだね、つゆが抱きしめても大丈夫そうじゃない？」
　
　やはり猫は追いかけてこないし噛みついてきそうにないしかわいいものだという認識を噛み締めつつ、夜露が指さした猫の方を注視してはそう言って。周りを走り回っている猫たちよりも比較的大きいように見えて、雰囲気からもどこか大人っぽく見える。
　自分も辺りを見回しつつ、

「うーん、オレはやっぱあの子もかわいいと思うな」
　
　と言って、自分の足元の方にいた茶色の猫を指さして。折れた耳に丸っこいシルエットの特徴的な、スコティッシュフォールドと呼ばれる類いの猫である。そっとその場に跪くと、触ってもいいのだろうかと恐る恐る手を伸ばして、その猫に一瞬だけ触れてみて。
　
「わ、オレ始めて猫さわったかも。……かわいい。ここに来てよかったって今思った」