オリジナルなりきり掲示板

Re: たのしいいちいちができるよ ( No.68 )
日時: 2021/05/04 01:30
名前: ヨモツカミ (ID: EFzJ4NBH)

>>66つきさん
【ガラスの靴、返せよ】

「奏羽、死なないで、死なないで」

 名前を呼ばれている。しかし、意識が朦朧として、何が起こっているかわからない。ただ、あなたがわかるのは、腹部からとうとうと溢れだす体液が、止まらないこと。
 何が起こったのだろう。視界が霞む。上手く息ができない。体が熱いのに、寒い。

「お願いだから死なないで、奏羽」

 きらり。銀色に煌めくものが見えたような気がする。振り下ろされる。と、焼けた鉄を体内に押し込まれたかのような痛みを知る。こみ上げてきたものを吐き出す、血の臭いがした。

「ごめんね。ごめん……死なないで」

 あなたはようやく理解するだろう。自分は今、殺されているのだと。刃物を腹に押し込まれた。殺しているくせに、声の主は死なないでと繰り返している。何故。どうして。死にたくない。生存本能が抗おうとしても、じわじわと全身の感覚が無くなっていって、あなたは意識を手放すだろう。
 カチ。最後に時計の針が動くような、そんな音がした。


***


 あなたはガバッと飛び起きた。そこはいつもの自分の部屋で、いつもの寝床にしっかり収まっていて、寝汗でぐっしょりと湿った肌着と激しく鼓動する心臓の音で、先程のことが全て夢であったことを知るだろう。
 誰かに殺される夢であった。思い出せば、直ぐに腹部から血が溢れて、失血していく感覚を思い出すことができるくらいに、あまりにもリアルで、本当に夢だったのかどうか、疑うほどのものだ。
 銀色に煌めく刃先の鋭さを思い出し、身震いしたところで、馴染みのある声が聞こえた。

「奏羽ー! いつまで寝てんの? 遅刻するよ!」

 双子の弟、鈴里の呼びかけだ。時刻を確認してみると、確かにいつも起きている時間よりも30分遅い起床だった。今日は月曜日。このままでは学校に遅刻してしまうかもしれない。

(というところから開始して下さい)
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