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>>68

「わ……分かってるってば。っていうか今から行くし！」

妙に現実味がある夢だった、と頭の中で先程の夢の感覚を繰り返す。夢の内容はもうほとんど覚えていないのに、夢の中で体験したのであろう恐怖が依然と身体中にまとわりついているような気分だった。
そんな気持ち悪い感覚を跳ね飛ばそうと、弟──鈴里の呼びかけにそう応じては、ベッドから降りて。未だに心臓がドクンドクンと生々しい鼓動を重ねている気がするが、家族の声を聞いて多少は落ち着いたらしい。全く、自分はなんて変な夢を見ていたんだろう。そう考えては「ふぅ……」と息を吐き

気持ち悪いし、早く着替えてしまおう。濡れてすっかり冷たくなった肌着ごと脱げば、ささっと制服へと身を包んで。そして次に、忘れ物がないかどうか鞄の中身を確認。
最後に、部屋を出る前に再度時計へと目をやると、鈴里の呼びかけからもう既に十分は経過していたらしい。いよいよもって遅刻寸前である。鞄を肩に掛け、いつも髪に付けているヘアピンを手に握りつつ、部屋から出てきて

「ごめん、だいぶ遅れた。……顔だけ洗ってきていい？」

朝食は既に諦めているが、顔だけはどうしても洗いたい。顔なんざ洗っている場合かと怒られるかもしれないと思いつつ、そう問いかけて


(/開始文ありがとうございます。こんな感じで大丈夫でしょうか？)