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>>80　つきさん
（ちょっと確定ロルになってしまいますが、まあ、走る流れでしょうから、走らせますね）
　走るしかないという奏羽の発言にうなずき、2人は走り出した。
　遅刻をしないように、それなりに本気で。体力が尽きて走れなくならない程度の速度で。
　学校へつくまでの10分間。走り続けるのは困難だ。それでも遅刻することに対する焦燥感で、無理やり足を進める。
　走っていれば、転ぶときもある。
　──それが、今だった。
　家から1分間走りきった場所。そこで奏羽は派手に転んでしまった。
　よく知っている通学路の途中。歩道、小さな靴屋の前にて。隣を車道の車たちが行き交う。
　転んだ奏羽の左足。靴が脱げていた。そしてどういうわけか、辺りを探しても、奏羽の履いていた左の靴がどこにも見当たらなかった。