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>>83心ちゃん
「わ……これ、何？ エサ？」
　驚くような嬉しそうな、好機の声。
　カウンターで、猫ちゃんに上げてくださいね、と言われて渡された、猫用のカリカリだ。

「それともう一つ。はい」

　紐の部分を持って、プランとぶら下げる。胴体ばかりが長く、体と平行にまっすぐ生えた手足に尻尾に、可愛いと言えなくもない顔立ち。そんな白い猫のキーホルダーを雫斗に差し出した。



>>84眠井さん
「きれいな、髪」
　思わず、彼女の美しい長髪を見て、声を漏らしてしまった。ほうじ茶のような優しい色。紡いで垂らせば、塔の上から逃げ出すことさえ容易そうなそれ。童話の中のお姫様が出てきてしまったみたいだとさえ思った。