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『今一度我を尊ぶか｡人の子よ』
シラミズ
ボロボロの布を被り闇に包まれた顔であろう部位には無数の赤い目玉が蠢き､足が軟体生物の触手の様な姿と化した邪神
ゆったりとした袖から除く手は辛うじてヒトの姿を保っているが､唯の戯れで擬態させているだけに過ぎず実際は足と同じような触手の塊

嘗ては綺麗な湖が特徴的な小さな村の中で『祇良瑞様シラミズサマ』と呼ばれ信仰されていた土着の水神だったが､村を支配する権力者が代替わりすると彼への信仰の弾圧や彼を信仰する民への圧政が広がる
度重なる重税と飢饉に耐え切れず苦しんで死んだ者達や信仰に殉じ生贄として彼の棲む湖に身を投げた者達の権力者への恨みに蝕まれ現在の様な邪神へと変貌した

邪神という禍々しい肩書きと尊大な口調とは裏腹に人間に対しては友好的で自分を信仰するものには神徳を与えようとするが､如何せん邪神である為か気に入った人間を自らの元へ引き止める為に所謂『神隠し』と呼ばれる事態を引き起こしたりしてしまう｡神に人間の常識など通じない



『僕は…『誰』…なんだ…？』
ジャック
黒色のフロックコートにシルクハットという､絵に書いた様な英国紳士と言える出で立ちをした青年｡茶色い髪は彼の几帳面な性格を表すかのように整えられている
しかし､黒い瞳は何処か生気が無く､彼の謎めいた素性も相まって底知れぬ闇にも見える

誰もが知る『切り裂きジャック』による殺人事件に纏わる人々の噂と犯人を特定しようとする無数の推理達がひとつの集合体となり自らの人格と肉体を手に入れた存在であり『世間が想像する切り裂きジャックの正体』が形を為したもの
逢魔村に来る前の記憶を失っているせいか､逢魔村に来る経緯や村に来る前は何をしていたのかは不明｡現在名乗っている『ジャック』という名も記憶を取り戻すまでの間使っている仮の物

記憶を取り戻し､逢魔村の外に存在するであろう『家』に帰ろうと積極的に行動しているので他人と関わる機会も多い
しかし､彼自身も気づいていないが自分を愛してくれる存在に対する依存心が強く所謂『ヤンデレ』になりやすい傾向がある



『すみません！怪しい者じゃないんです！』
アドラー
灰色のパーカーに青いジーンズとラフな服装に見合わぬ程の痛々しい傷跡が目立つ男性
服にも彼のものであろう血液が大量に付着しており､頭からの出血の跡やあちこちに残った痣などの痛々しい傷跡が目立つ

恋人との結婚を目前に控えていたある日の夜､半グレの集団から拷問にも等しいリンチを受けて死亡した後死体を海に遺棄された男性の亡霊
生前の記憶は曖昧であるらしい
『外に出て恋人の元へ帰らなければ』という焦燥を糧に逢魔村からの脱出を目指しているらしいが､彼自身ショックの余り記憶に無いだけで彼がリンチされた現場に恋人も居合わせていて恋人も彼の目の前で惨たらしい方法で殺されている