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>>25
【金木犀/アパート】

「香り？」

何だそれは、と言いたげにほんの少し首を傾けた後、自身から漂う甘い匂いに混じって別の香りが不意にふわりと鼻腔を擽り。少し驚いたような顔を浮かべつつ、一体いつの間に別の匂いをつけられたのだろうと考えるも、すぐにあの霧吹きのものだと気付いて

「ああ、大丈夫だよ。自分からいつもとは違う匂いがするっていうのは、結構新鮮な気持ちになるね」

特に嫌いでもない香りだし…と思いながら頷くと、毛先に軽く指を通しては再度その香りを嗅ぎ、にへっと頬を緩ませて。「…ガーデンローズさんって、いつもこれ使ってるの？」と少し考える素振りを見せた後、鏡越しに相手の顔を見ながらもそう問いかけて