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>>38
【金木犀／207号室】

「おっけー」
へら、とした笑みを小さく浮かべてはそう言いつつ、指定されたテーブルの上へと荷物を置いて。何気なく折り畳み部分の窪みへと指を置きつつ、相手の言葉に「ん、」と頷いては何かを探している様子の相手を眺めて。

「やったー、…んで、ジャムって最初はどうするの？　とりあえず果物を切って、鍋に入れたら良いのかな」
取り出された鍋を見やり、いよいよ作るのだとワクワクした気持ちを全面に押し出すかのようにニコッと笑っては喜んでみせ。テーブルから手を離した際に少しだけ埃が指についたのか、指先を擦り合わせ埃を払いつつ、今までジャムを作ったことはないのかそう聞きながらも林檎を手に取り


>>39
【金木犀／206号室】

「あくまでも寝癖直しに来ただけなのに、…なんだか悪いなぁ」
寝癖直しだけでなくヘアセットまでしてくれるという、ここまでの厚遇を受けられるとは思ってはいなかったのだろう。撫で受けつつ、目尻を下げてどこか申し訳なさげに笑ってはそう言うが、ふと何かを思い付いたのか「……あ、」と短く声を上げて

「ガーデンローズさんの髪を僕がセットする……ってのはどうかな」
先程の笑みとは違いどこか悪戯っぽさを含んだ目付きになっては、椅子に座ったまま相手を見上げるようにして相手の方へ振り返り見て。「ほら、僕ばっかり色々して貰うのはどうかと思うし、寝癖直しのお礼としてさ。……まぁ、ガーデンローズさんが嫌なら、あれだけど」と、少し目を逸らすようにして視線をちょっとだけ泳がせながらもそう続けて