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- case - 01 / Alma - prisoner ( No.28 )
- 日時: 2022/02/20 23:41
- 名前: 浅葱 (ID: 0llm6aBT)
>>27
アルマは自身を侮辱されようと、表情を曇らせる事はない。囚人達はやっと笑いの波が収まり、あなたの発言に僅かに機嫌を悪くした者もいるだろう。けれど、大半は忍び笑いを漏らしてあなたを不躾な目で見る者ばかりだ。
「やだなァ! 人の事をそんな風に言うなんて、躾のなってないバブちゃんの証拠だよ。それともなに? 男のクセにお月様でも出てるワケ?」
アルマは勿論、忍び笑いを浮かべる側だ。否、実際は、真正面からあなたの態度に対して冷笑してみせただけだ。戯けた態度は変わらず、幼児をあやすように顔の横で青白い手をひらひら振って見せる。アルマはしゃがんでいるのであなたを見上げる形をとなっている。けれど、歪んだ笑みを浮かべる口が、片方だけ皮肉げに細められ目が、あなたを心底見下している事を隠そうとしていない。
「マ、別にいいけどね。ここにいるンなら、何十人か殺したンでしょ? どうせ全員そうだし、気が向いたら聞かせてよ。面白かったら笑ってあげるから。」
アルマはゆっくりと立ち上がると、看守が作業に戻る。どうやら強制労働に耐えられる肉体の持ち主かチェックをしているらしい。アルマは蹴られ、あなたはアルマに張り手を喰らわせられたが、看守はそんな事など全く気にせずにカルテにチェックを入れている。
漸くチェックが終わった頃には、囚人のほとんどの笑いは収まっていた。けれど、あなたに対する興味はまだまだ尽きないらしく、あなたには数多の視線が突き刺さっていることだろう。
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