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- かみさまのラルム【参加者募集】
- 日時: 2018/10/18 21:36
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: ejYHSi8p)
――――その島に聳え立つは三つの塔。
――――ねえ、私達って何なのかしら。
――――知らないってば、僕だって分からないんだから。
【募集開始】
>>1 【序章】
>>2 【世界観】
>>3 【用語、エリア】
>>4 【名簿、キャラ作成シート】
>>5 【ルール】
スレッド建設日 【2017/07/15】
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.66 )
- 日時: 2018/02/05 13:30
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: Q8MrRCmf)
>>65
【青の塔/ミッドナイト】
控えめの乾杯の後、私はそのままグラスを口から遠ざけた。お酒を薦めた以上、相手がこの味が得意かどうか、多少の心配はあったので反応を見ていたが、どうやら楽しんでもらえているようで、相手が半分ほど飲んだところで自分もようやくワインに口をつけた。一人で飲む分には気にしないのだが、人に出すには少し冷やし過ぎたかもしれないと不安になっていたところだった。しかし予定より随分早く帰ってきたものだから、冷蔵庫に入れてから一時間を少し過ぎたくらいだった。そも、ヴィンテージが入っているわけでもない、自分自身のこだわりも薄いような、数日前にぱっと店で買ってきたようなものだから、そこまで味に期待していたわけでもないけれど。
(でもよかった。十分美味い。むしろいつも私が適当に飲んでいる物に比べたら天と地の差だ。)
一人の夜に凍え、寂しさに開ける安すぎるようなワインとは違った。それに、今日は二人だ。昔のように埋め合わせの愛なんかではなく、今日は好奇心に満ちたものだ。そこに愛なんてものはないけれど、そこには毛布もかなわないような暖かさがあった。
暫く葡萄酒を楽しんでいると、ゼフィールの口からポツリポツリと言葉が出てきた。彼に姉がいること。その姉とは所属する塔が異なり、同居の申し出を五千年も断り続けていること。ただ、私にとって問題はそこではない。彼の姉の名前に聞き覚えがった。たしかに、私が知っている人物だ。
「ヴェールニル…………。」
私の頭に言葉が反芻される。あれは何千年前だったか。いや、そんなことをどうでもいい。
“大抵の嫌なことはすぐ忘れられるのに、一個だけ、私の中に渦巻く黒雲がいつも私を責めるの。今だって、こうしてその黒雲を振り払おうとする私にナイフが向いているのです。ごめんなさい、私を私が殺してしまう前に、今日は帰りたいの。”
何人目の夜のお供だったかは知らない。いや、彼女は真夜中と一体にはならなかった。天蓋の下にいた私の手を取りながら、私の愛を拒んだ女性だ。覚えてる。彼女の黒雲というのは、まさか。
(この子のことだったか。)
黒雲は、そのまま話を続ける。どうして彼女と共に生きることを拒んでいるのか。そしてその理由はまっとうな物に思えた。天涯の下の私のもとへ歩いてくるだけでも花瓶を倒し、誤ってランプの火を消した彼女だ。彼の心配も決して杞憂なんかではない。
「私も、もっと君のことが知りたい。君と、君の姉のことを。」
きっと、彼にはヴェールニルと私が知り合いなことを話さないほうがいい気がする。ましてや、ヴェールニルが彼を想って開けた穴を、私で埋めようとしたことは決して話さない方がいい。暗闇の中で涙を流した彼女を追いかけることもせず、一人で帰らせたなんて知ったら、きっと彼は私にテーブルの上のナイフを胸に突き立ててしまうような、そんな気がしたから。
「ねえ、私はね。早速だけれど君に一つ隠し事をしているんだ。いつか、私と君が今以上に親しくなったら、私が君にこの秘密を話していいと思う日が来たら、それを伝えるから。これから仲良くしよう。そう、まずはお互いの好物なんかを知ることから始めよう。」
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.67 )
- 日時: 2018/02/05 17:24
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: 50PasCpc)
【キャラ作成シート】
「俺はラベンデル!よろしくな!」
「ゼフィール!洞窟見つけたから行こうぜー!」
「こ、こんち、わ・・・ヴェ、ヴェールニル・・・さん。」
名前 【ラベンデル】
年齢 【5115】
性別 【男】
性格 【無邪気で悪戯好き。他人の恋愛にはお節介を焼くが、自分の事になると奥手。
いつでも元気で好奇心が強い。恋愛には不器用だが手は器用。よくゼフィールと
つるんでおり、ゼフィールの姉ヴェールニルに恋をしている。(絶賛片思い中)】
容姿 【短髪で所々がはねている。クシを使った事はない、と言えば納得できる位寝癖が
酷い。身長159.2cm、体重43.7kg。服装は効率を考えて、夏の月・春の月は
半袖の白色のTシャツに、紺色の半ズボン。冬の月・秋の月は白色の長袖の服に
紺色の足首まであるズボン。そしてもっふもふの灰色パーカーにもっふもふの紺色
ジャンパー。更に薄茶色のブーツ。春の月でも冬の月でもキャップつきの空色の帽子を
かぶっている。そして常時金色のロケットペンダントをつけている。その中には
今はいない兄、シャルトリューズと、ラベンデルが写っている写真がはいっている】
所属する塔 【青の塔】
生まれた月 【夏の月】
誕生エリア 【赤の教会】
備考 【いつもゼフィールと一緒にいる悪友だが、ヴェールニルの前のみ緊張感がはしり
言葉が途切れ途切れになる。見た人のほとんどが片思い中だという事がわかる程
恋愛については顔に出やすいが、ポーカーフェイスは得意。兄がいるが、行方不明
になっている。】
募集 【】
【よろしくお願いします!】
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.68 )
- 日時: 2018/02/05 21:51
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: Q8MrRCmf)
>>67
【特に不備はございませんので、どうぞ本編へお進みください。
あと、プロフを見ての少しのアドバイスです。改行の癖は以前より大分よくなっています◎でも、やっぱり残りちょっとのところで改行してしまうかもですね。…(三点リーダ)は偶数個、また「!」や「?」のあとは一つ開けてみましょう。また「!」の使いすぎにはご注意ください。ラベンデルくんのセリフで例えると以下のようになります。
「俺はラベンデル、よろしくな!」←これは「!」のあとの一つ開けと「!」の使いすぎに関してです。でも、ラベンデルくんは元気な様子ですので「!」が多い方が都合がいいのかもしれませんね。そちらは好きな方を選んでくださっていいと思います。
「こ、こんち、わ……。ヴェ、ヴェールニル……さん。」←これは「…」の偶数個使用に関してです。こんちわのあとで「。」をつけたのは個人的にこちらが見やすかったというだけなので気にしないでください。
こんな感じですかね。本編は小説風のロルでお願いしているので細かいかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。しかし、偉そうにアドバイスをしておきながら、私も完全に書けているかといえば自信はありませんし、このアドバイスが全てというわけでもございません。小説カキコの小説を書く際のルールももう一度ご覧頂くことをおすすめします。偶数個使用や一つ開けは小説自体のルールとはいえ、感覚的なアドバイスもありましたから、そのあたりは適当に聞き流して、貴方らしい文章作りをなさってください。】
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.69 )
- 日時: 2018/02/05 22:45
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: 50PasCpc)
【>>68 アドバイスありがとうございます。正直、全角から半角へ変わったので
違和感がある様なない様な・・・・。折角アドバイスしてくださいましたし、頑張ります。
はい、もう一回見直してみます。】
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.70 )
- 日時: 2018/02/08 23:39
- 名前: 宝治 ◆wpAuSLRmwo (ID: CwTdFiZy)
>>66
【青の塔/ゼフィール】
「うーむ、さすがのミッドナイトだ。今のはまるで口説き文句のようだったよ。僕が女の子だったら今頃恋に落ちてただろうね。
そんな意味深な台詞を言われるとますますあなたのことを知りたくなってしまうな。……どうやらあなたと親しくなる他に秘密を暴くすべはないようだし」
芝居がかった口調とは裏腹に、ゼフィールは内心で思案している。
彼の言う秘密とは何に関する事柄なのだろう。”ヴェールニル”の名に微かに反応を示した気がしたが、もしかすると……。
いや。ゼフィールは自らを強く戒める。下世話な憶測は自身の品性を著しく損なう行為だ。
ミッドナイトが今話すべきではないと判断したのなら、ゼフィールはその意思を尊重するだけである。二人の間に灯りかけた親しみの感情を摘むことだけはしたくない。
彼が繋いでくれた暖かな会話の灯火を絶やさないように、ゆったりした気持ちで言葉をつむぐ。
「好きなものは、そうだな……うーん、沢山あって一言では言いにくいよ。――例えば食べ物だったら、ほら、今日僕が持ってきたサラミ」
ゼフィールはナプキンで手指を拭いてから、棒状に長いサラミを取った。表面には種々のスパイスがまぶされ、香草がふんだんに練り込まれているものだ。
ナイフで手際よくスライスさせれば、白い平皿にずらり。薄く輪切りにされたサラミの断面が並ぶ。
「これは大陸からの輸入品なんだけど、少し前と比べたら随分と味がよくなったし、防腐処理の技術なんかも発達してる。
人間の技術はすごいね。たかだか数十年の寿命で、なんでも工夫して作り上げてしまうんだもの」
皿の上の一枚を手にとり、しげしげと観察する。香辛料と肉とハーブの匂いが食欲を誘う。
「食べ物に限らず、大陸では数え切れないほどの品物がたくさん出回っていて、新しいものが毎日のように出ては消えてゆくらしい。目まぐるしくって忙しくって、でも飽きない。ずっと見てたくなる」
ディユー・ラルムが一つの氷柱だとしたら、人間は一粒の泡沫なのかもしれない。
不変で永遠に美しい我らと、一瞬の輝きを残して去る彼ら。
海辺に寄せては引いてゆく白波は、泡の一粒から構成されている。その泡がはじけて消える様をただひたすら観察する子どものような心持ちで、ゼフィールは人間の営みを見つめている。
次の瞬間どこかに消える不安定な存在だからこそ、いつまでも目を離せない。
「多分、珍しいものとか、移ろいゆくものが好きなんだろうな。だから、島の外のことを考えるのは僕にとってとりわけ楽しいことなんだ。
……お次はあなたの番だね、ミッドナイト。好きなものはなんだい。もちろん氷柱についても、それ以外のことについても沢山聞かせてほしいな」
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.71 )
- 日時: 2018/02/12 02:25
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: r9bFnsPr)
- 参照: サンボ(に近い物を)回収
>>69
【半角とは、三点リーダのことをおっしゃられてますか? 「…」は全角ですよ。】
>>70
【青の塔/ミッドナイト】
「私に恋に落ちるのは一向に構わないよ。私の愛は男性でも女性でも変わらずに、君達の胸を穿つよう働いているだろうからね。私の秘密が君を不幸に落とそうと、今は私の魅力の為のスパイスだ。女の子はたくさんの砂糖とほんの少しのスパイスで出来ているというけれど、私を構成するのはたくさんの愛と秘密だよ。私の愛に囚われる者は、必ず私の全てを知らない。私がどれだけ洗いざらい吐いたって、私の全てを知るには私が生まれた瞬間から知らないといけないんだ。」
私自身が知らないことを他人が知るはずもない。愛という単純なもので出来た中身に、秘密という複雑に絡まった殻が私を彩る。時折、殻の中から白い腕を出して客人を天蓋の中に招いても、一夜の恋人に私の全ては暴けない。私の親友になろうとする者と、こうして食を共にしても、私の秘密は尽きない。消えない。色褪せない。
「私に恋に落ちたら、私の部屋においで。ドアを三回、一回、二回叩けば、私はもうその涙の為の真夜中さ。」
そう言ってグラスの残りのワインを一気に飲み干した。口の端からほんの少し垂れかけた一滴を中指で拭って紅い舌で舐め取る。ワインの赤と舌の紅は混ざり合って、そのまま自分の口の中へと消えた。
ゼフィールは自分の問い掛けの答えとして、テーブルに並ぶサラミを指した。不器用そうな彼女の弟は思えない手つきで、サラミを切り分けた。自分も一枚もらいながら、彼の考えに耳を傾けた。随分と、人間を気に入っているようだ。サラミ一つで、そんなことを考えたこともなかったから、自分も改めてサラミを眺めたが、何をどうしても自分にはただの肉塊にしか見えなかった。
「ラルム達はなかなかそういうのには疎いからね。流れる時間も、外界からの刺激もあちらの人間とは違う。ねえ、君はさ、神様から貰った命が50年程だったら、何をするんだい。君自身が、移ろいゆく物だったら、君はどうするのかな。」
ゼフィールの問いには答えずに、ミッドナイトは問うた。返事をするより、そちらのほうが気になってしまったのだ。
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.72 )
- 日時: 2018/02/12 10:37
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: hAr.TppX)
【>>71 ああ、全角は全角なんですけど半角にしてそれを組み合わせた感じだったから
つい半角と書いてしまって。あと、質問なんですが氷を切り分ける作業?とかは青の
塔の人がやってるのでしょうか?それとも、ローズナ大陸から来てやっているのでしょうか?】
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.73 )
- 日時: 2018/02/12 10:52
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: r9bFnsPr)
>>72
【青の塔の住人が採取、加工しています。それに関しては>>3に書いてあるのでもう一度読み返すことをおすすめします。あと、今後の質問はリク・依頼掲示板のほうでよろしくお願いします。】
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.74 )
- 日時: 2018/03/21 19:32
- 名前: 宝治 ◆wpAuSLRmwo (ID: fQkNQwJA)
>>71
【青の塔/ゼフィール】
死があるからこそ生に価値がある。
これは人間という種族が彼らの短命という定めについてどうにか自分を納得させるために思い付いた言い訳だ。
言い換えれば、死ななければ生きてる意味はない。……ラルムからすればあまりいい気はしない文句である。
「五十年しか生きられないなら、ね。……同じような問いを、僕は今までに何度も自分自身に投げかけているよ。もし人間に生まれていたら?なんて。
でもたどりつく答えはその時々によってバラバラで曖昧なんだ。五千年も同じことを考えているのに、ちっともまとまらない」
自身の両手の甲をじっと観察してみる。ディユー・ラルムの名に恥じること無い均整の取れた造形だ。
幼子のようなきめ細かな肌質に、ほっそりとした指が仲良く交互に組まれており、どんな重労働を重ねても決して節くれ立たず、日に焼けてもシミ一つできない。
髪色と同じく青紫の爪はやや深めに荒っぽく切られているものの、手入れをすればさぞや、と思わせるものがある。
かつて見た人間は自分の百分の一にも満たない年齢にも関わらず、ゴツゴツと荒れたシワだらけの手を持っていた。
そしてそれは使い物にならないほど脆く、弱く、震えていた。
「おそらくは、僕が“老衰”という現象を理解できないからなのだろう」
テーブルにはサラミ、ワイン、温かい料理の他に、部屋から瓶ごと持ってきたドライフルーツもある。
蓋を開けて逆さに振れば、コロコロと紙ナプキンの上に転がるレーズン、アプリコット、イチジク。
茎や枝からもぎ取られた直後は、どれも果汁たっぷりの艶やかな一粒だったに違いないが、今やどれも例外なく水分が損なわれ、表面は乾燥して無数の皺が寄っている。
(老いとは案外、ドライフルーツみたいなものだったりして)
本質には至らない例えだけれど、分かりやすい。などと考えながら、レーズンを二、三粒まとめて口に放り込む。この噛むほどににじみ出る甘酸っぱさは、早熟の生果では味わえない。
ミッドナイトのワインで口直しをしつつ、言葉を連ねる。
「最初の四十九年間は、運命を嘆いて泣いてくらすかもしれないし、逆に割り切って毎日酒を飲んで面白おかしく過ごすかも。もしくは泣いたり笑ったりを毎日交互に入れ替えるか。今よりもせっかちになるのは間違いないね。あはは、本当に想像が付かないや。……でも、最期の一年間でやることは決まってる」
いたずらを思いついた時のような笑みが口元に広がった。
「親しい人の前から姿を消す。……僕がこの世から居なくなったことを悟らせないために。西風のように、どこかで呑気に旅してるだろうと思わせておくんだ。特に姉にはね。……僕が死んだと分かったらあの人、どうなるか分からない。後追い自殺なんかされたら堪ったもんじゃないもの。あの世でも姉弟仲良しなんて」
――ああ。違う。
五十年という短命であっても、五千年でも、五万年生きたとしても、きっと自分は同じことをするだろう。
死ぬ一年前に、きっと自分は姉の前から居なくなる。
(2018.03.21追記 千分の一にも満たない~→百分の一にも満たない~
……千分の一やったら5歳児やないか!!恥ずかし!)
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.75 )
- 日時: 2018/02/23 22:31
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: IhKpDlGJ)
>>74
【青の塔/ミッドナイト】
私達は、きっといつまでも美しいままだ。この島が沈まない限りは、終わりのない生を享受して行くのだろう。その中で、私達はこの命の意味を考え、自然と命を落とした時の事を考える。きっと向こうの大陸の人間からしたらそれは贅沢で、不謹慎なものだ。
「たまに、なんとなくで大陸に足を運ぶことがあるよ。私が気まぐれに青の氷原に行っても、そこにいる涙はたまにしか変わらないのに、あちらで働いている人間はいつでも違うんだ。その理由に気づいたとき、私は人間の儚さを知った。涙よりも儚い彼らだよ。」
そんな人生の中で、満足に旅をして、心を満たすことがあるのだろうか。何か一つを志しても、老いがそれを邪魔をする。永遠に彷徨って、無機質に過ごすのと、満足のいく長さでない人生を謳歌して道半ばで死んでいく。
「でも、そうだなあ。君はきっと人間だったとしてもうまくやっていけるよ。私がそのことを考えたときに、前向きになれたのは24回、そうでなかった回数は2023回だ。そうやって、死ぬ直前のことを冷静に考えられる君は何処でもやっていけそうだ。」
彼は、随分姉とは違う性格のようだ。いや、それはとっくに分かっていたのだが。暗闇の中で涙を流しながら駆けていく彼女は羽をもがれた鳥だ。でも、彼はとっくに羽ばたいている。……しかし。
(彼もなかなか大変だな。ヴェールニルとは違う方向で姉弟にとらわれている。)
「そういえば、君は大陸へ渡ることはあるのかい。そんなに人間の技術に関して関心があるんなら、やはりこまめに行っているのかい?
【返信が遅れてしまい、申し訳ございません。】
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