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かみさまのラルム【参加者募集】
日時: 2018/10/18 21:36
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: ejYHSi8p)

――――その島に聳え立つは三つの塔。





――――ねえ、私達って何なのかしら。
















――――知らないってば、僕だって分からないんだから。


【募集開始】


>>1 【序章】
>>2 【世界観】
>>3 【用語、エリア】
>>4 【名簿、キャラ作成シート】
>>5 【ルール】


スレッド建設日 【2017/07/15】

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Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.36 )
日時: 2017/07/26 02:10
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)

>>33

【中央街にて/ヴェールニル】

 「本当ですか? 嬉しい、ありがとうございます。」

あっけらかんと、許可は出た。相手ももう買い物をしている身だから、これが朝ごはんだとして、食材を使うのはお昼か夜になってしまうというのに、暇だからと、頷いてくれた。駄目元の提案であったから、嬉しさは底知れない。では行きましょう、と言う前にハッピーバースディの足が、楽しそうに動く。そう緑の塔の方向とは、

「正反対です。」

自分のいきなりの提案に関して嫌な顔ひとつすることなく、快諾してくれたハッピーバースディへの感謝はしかし、一瞬で不安へと変わっていった。この島に伝わる、ラルム達の本能にも近いところに刷り込まれているあの歌を知っていれば、間違うことはない。さすがのヴェールニルでも間違えない塔の場所を見事に正反対に行ってみせた彼に自分と同じものを感じたヴェールニルは苦笑いで「こちらです。」というと先を歩き始めた。

 「緑の塔は初めてですか? 初めてなら、どうぞお楽しみに。私はほかの塔に立ち寄ったことはないのだけれど、たまに緑の塔で遊びに来ている赤の人や青の人を見ます。いつも、ラウンジの大きな暖炉に感動なされているから、他の塔にはないのかしら。」


>>ALL様

【こちら現在、ミッドナイトが空いております。絡みたい方がいたらお子描けください。もしくは明日くらいにまたALL文投げますね。】

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.37 )
日時: 2017/07/29 16:24
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)

【AM:06:00/青の塔内から中央街/ミッドナイト】

 朝の光は、真っ黒なカーテンに遮られて、今が何時なのか何もわからない。ミッドナイトはベッドから上半身を起こし、時計を見る。ちょうど、六時。ミッドナイトは重い腰を上げ、そのまま食卓へと向かった。食に一切のこだわりを持たないミッドナイトは、テーブルの上に置いてあったバケットを無心に食べた。一人用の部屋とはいえ、もの寂しいものである。青の塔の部屋は他の二つの塔の部屋より小さいとはいえ、ほかになんの温もりもない、ましてや色味のない部屋では、自分が息をしているかどうかさえ怪しくなってくる。自分の首に手を回して、少し力を入れてようやく自分が息をしていたことが分かるくらいだ。

 (早く着替えて何処かへ行こう。)

食べかけのバケットをそのままゴミ箱に捨てて、クローゼットから適当に服を選んで着る。灰色のVネックのセーターに、控えめのダメージジーンズ、黒のロングコートに、黒のライダーズブーツ。自分の肌の色だけが、どうにも明るく目立つ。

 ミッドナイトは、あてもなく歩いた。目的地はないけれど、目的はある。ただ、他のラルムがいるところに行ければそれでいい。色とりどりな君たちが、色とりどりに動いている様が、自分にはどうにも落ち着いた。中央街の喧騒とまではいかない、ゆったりとした賑やかさが何より好きだ。

「さて、何をしようかな。朝ごはんは食べてしまったから朝市もイミがないからなあ。」

>>ALL様

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.38 )
日時: 2017/10/20 21:39
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)

【最近、忙しくてしばらくこれていませんでしたが落ち着いてきたのであげさせていただきます。】

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.39 )
日時: 2017/10/23 09:44
名前: 流沢藍蓮 ◆50xkBNHT6. (ID: GfAStKpr)

【初めまして、流沢藍蓮と申します。雑談掲示板にあったコメントに惹かれ、実際にのぞいてみてさらに惹かれてしまいました所存です。参加してもよろしいでしょうか?
 済みません、かなりシリアスなキャラです……。
 あと、勝手なことながらサンプルボイスを追加してしまいました。三つでは収まりきらなかったので……。
 済みません(>_<)】


【キャラ作成シート】

「アズライトだ。悪いが、初多面相手にそれ以上名乗る趣味はないね。僕と仲良くしたいのならば信頼に足る何かをくれなくては駄目だ。……そうさ、僕は傷つき過ぎたんだ、簡単に誰かを信じるわけにはいかないのさ」
「忘れられないこと程つらいことはないよ。だって考えてみろ。僕は15000年も生きたんだ、その記憶の中に、一体どれだけの悲しみがあると思う? 僕は自分の記憶力が嫌になる」
「希望? ハッ、何を甘えたことを。そんなものはなから存在しない。目を輝かせて夢や希望を語る人達って純粋だけれど、ああ、馬鹿なんだなとも思うよ。だって考えてみろ。僕ら永遠を生きるラルムの、一体どこに希望なんてあるんだ? いい加減そんなの夢物語だって、単なる幻想にしかすぎないって気づけよ!」
「どうしてだろうね? ああ、こんなに生きたのに死ぬのが怖いって思う僕は、どこかおかしいのかな? 笑ってくれよ、ハハハ……」
「君はどうして……? 僕は君を拒絶したのに、どうして『友達になりたい』なんて言うんだ? ああ、わかっているよ。どうせ後で裏切るつもりなんだろう。君にそんなつもりがなくても、僕はそう考えてしまうのさ。……人間不信で悪かったね?」


名前 【アズライト】
年齢 【15249】
性別 【男】
性格 【やや警戒心が強く人嫌い。他者を心から信じることは稀で、常に他人とは一定の距離を置いている。冷静で動じず、頭の回転が速く頭もよいので頼りになる。集団行動を嫌う一匹狼で全体的に冷たく、近寄りがたい雰囲気を身にまとっている。ずば抜けた記憶力を持ち様々な事象を記憶してはいるが、それは忘れたいことも忘れられないということ。世間に対して批判的でひねくれている。厭世的で達観気味。長く生きている自身に倦み、何度も命を絶とうと思ったが死を恐れ、結局死ぬことができずに長い時をさまよっている。】
容姿 【外見は10代中盤の少年。それにしては身長は低めで150程度。髪の長さは普通の少年くらいで前髪は目にかかる少し前くらい。冷たい印象のする顔立ち。服装はシェイクスピア(R44、G44、B179)色の魔導士みたいなローブで、その上に同色のマントを羽織る。靴はグレイのブーツ。夏は流石にマントを脱ぐが、長いローブは暑くても着ている。全体的に青い。儚げな印象で、ともすれば消えてしまいそう。】
所属する塔 【青の塔】
生まれた月 【秋の月】
生まれたエリア 【青の湖】
備考 【一人称「僕」、二人称「君」「あんた」、三人称は名前で呼び捨て。敬意を持つ相手には敬称をつけるが、そんなことはめったにない。長い時を生きるラルム。かつてはそこまでひねくれた性格でもなかったが、長い時を生きて友の裏切りや兄弟の死、さらには誰よりも信じていた人に殺されかけたなどの悲惨な経験を持つため、そういった悲しみの記憶が彼に人間不信を植えつけた。彼の張る他者への壁は裏返せば裏切りや別離への恐怖であり、本当は誰かと友達になりたいと思っていてもその恐怖が邪魔をする。クールに見えて、実は結構過去に縛られているイメージがある。『忘れられない』というのも仇になったか。一部の人からは『久遠の青』と呼ばれている。アズライトは石の名前でもあり、石言葉は「尊厳・崇高・瞑想」。色はR0、G37、B176】
募集 【アズライトの一番の親友】

【参照欄にURL貼れなかったので以下に貼りました。hとtの間のスペースを消して使って下されば、おそらく飛べるはずです。一応RGBも書きましたが。
h ttp://pluscolorn.sub.jp/content/kakudai_onlyget.php?1id=838】

【こんな感じで良かったでしょうか。不備がありましたらお申し付けくださいませ。】

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.40 )
日時: 2017/10/23 18:52
名前: ろっか (ID: b92MFW9H)

【お久しぶりですこんばんは。ろっかです。上がっていたのを見かけたのでついついコメントしてしまいました。普段からこのあたりをふらついているので常に参加出来ます(ドヤァッ)
しかしこのろっかと同じくキャラが物凄くふらついているシアンちゃんをまた扱えるかなぁと少し不安ではございますが、また何かしらの形で絡ませて頂ける機会が御座いましたらいつでもお声掛け下さい。】

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.41 )
日時: 2017/10/24 01:33
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)

>>39

【はじめまして。
2レス目にして早速若干愚痴スレのような雰囲気になってしまっているあのスレからお越しいただけるとは驚きでございます。
アズライトくん、特に不備は見当たりませんのでどうぞご参加くださいな。リク掲示板のほうにこのスレ専用の相談所もありますのでどうぞご活用ください。】



【とりあえず私の子達を投げてみますね~。もしかしたらまた新しい子を増やすかもです。】


【緑の草原にて/ヴェールニル】

 ねえ、神様。いつになったら私はあの人と一緒に暮らせるの。貴方が生んだ同じ存在のはずなのに、どうして私とあの人はいつまでも一緒になれずにいるの。いつだってヴェールニルの心にはあの人がいる。自分の心の奥で笑っている。でも、奥でしか笑ってくれないの。一番最近見たのは困った顔。自分のせいだと分かっている。会うたびに共に暮らそうと我が儘を言い続ける自分のせい。

 (あの人の苦しんでる姿は見たくはないのになあ。)

でも、共に暮らすという夢を諦めたことはない。いつだって、あの人とともに暮らせるように洗濯をして、料理をして。いつも失敗して隣の部屋の人に迷惑をかけてしまうけれど。

 (今日はせっかく緑の草原に来たんだから、暗い顔なんてしてはいけないわ。)

だって、目を閉じれば優しい小鳥たちの歌。木々の葉が擦れる音は穏やかなひとときを助長させるようだ。少し遠くのお花畑から、一本だけ持って帰って部屋に飾ってもいいかしら。ヴェールニルはよっこいしょと、小さく声を漏らしながら、座っていた切り株から離れて歩いていく。今日のお目当ては夕飯に必要なハーブ。緑の草原に生えていると中央街にいた人に聞き、こうして赴いているのである。

 「緑の草原に生えているとは聞いたけれど、緑の草原って思っていたよりずっと広いわ。どうしましょう。とりあえず、歩いていったら見つかるかしら。」

木で編まれた小さなかごを手に、ヴェールニルは(自分にとっての)未開の地を進んでいくのであった。

>>ALL


【ミッドナイトはまた後日文を投下したいと思います。それか、どこかに乗っかるか。元気な時に書きます。】

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.42 )
日時: 2017/10/25 23:58
名前: 流沢藍蓮 (ID: GfAStKpr)

【絡ませていただきます!】

>>41
【図書館→緑の草原/アズライト】

 長い時を生きていた。長い時間の中をたゆたっていた。
 たくさんの死を見た、たくさんの悲しみの味を知った。
 忘れられないというのは果たして、本当に良いことだろうか? 生きるのに疲れた彼は思う。
 しかし死ぬ勇気もなくて。今日も彼は、無気力に生きるだけなのか。
 通い慣れた図書館を出て、することもなしにあちこちを歩く。誰も話しかけてくる者などいない。彼の纏う氷の雰囲気が、人の近づきをためらわせていた。
 だが、それでいいと彼は思う。

「……関わったら、それだけ傷つく」

 だから無駄に他人と関係を作ろうとはしない。それが彼、アズライトの生き方だった。
 裏切られて傷つくならば、先に死なれて傷つくならば。そもそも人と関わらなければいいだけの話。そうすればきっと、傷つかずに済む。
 彼の長い経験は彼から人と関わるすべを奪った。人と関わることは危険であると、凍りついた思想を植えつけた。纏う孤独も悲しみも、結局は彼自身が望んで得たもの。彼自身が傷つかないために、他人を遠ざけて得たもの。そこには彼の意思がある。

「どうでもいいね、そんなこと」

 自分の思いを振り捨てるかのように彼は大きく首を振り、ただ何となく各地を歩く。片手には先ほど借りてきた本。何かの暇つぶしにでも読もうかと持ってきた。

 そうして気が付いたら、彼は明るい草原に来ていた。彼は明るさに思わず目を細めた。
 こんなに明るくて優しいところなんかに、普段の彼は出向かない。
 しかし偶然にせよ、何にせよ。

「……たまには、いいか」

 心に張った氷を溶かして。たまには穏やかな草原を散策するのもありかもしれない。
 彼は少し力を抜くと、広い広い草原を目的もなく歩きだした。

 しばらくして、彼は木で編まれた籠を持った大きな三つ編みの少女を見つけた。明るい色合いの長いワンピース、風に揺れるイヤリング。彼の優れた記憶力は、即座に彼女の名を頭の中にはじき出す。
 草原は広い。このまま無視するのも何なので、彼は彼にしては珍しく、自ら進んで声をかけようと考えた。
 何かを探すのに夢中な少女の名を、軽く呼ぶ。

「確かヴェールニルといったかな? 青の塔のアズライトだ。何か探しているようなら手伝っても構わないけれど?」

 気まぐれに起こした親切だ。この草原の穏やかな空気の成した業だ。
 優しい空気は、彼の心にも伝播して。
 彼は柔らかに微笑んだのだった。

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.43 )
日時: 2017/10/26 00:40
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)

>>42

【緑の草原にて/ヴェールニル】

 ヴェールニルは突如として呼ばれた名前に即座には反応できなかった。名前を呼ばれてから七秒後、耳に通り抜けかけていた声をすんでのところで拾うと、声のする方を向く。一瞬だけ、ゆったりとした温かい風の中に冷たい空気が流れた気がした。凍てつくような冷たい美しさ。自分と同じか、ともすればほんの少し小さい背丈のラルムは、その顔に笑みを浮かべていた。

 「あら、えっと、…………アズライト、さん。」

正直に言って、自分の記憶の中にアズライトというラルムの記憶はほとんど無に等しい。話しかけられたことも、話しかけたことも、自分の記憶の中にはないのである。でも、自分の名前を知っているということは、一回は会話をしたことがあるのだろう。それを本人に言えもせず、彼の名乗った名前をそのまま復唱。自分の探し物を問うてくれている彼にほんの少しの罪悪感を感じながら、ヴェールニルは言った。

「あの、この辺りにハーブってあるのですか。中央街の人に緑の草原にあると聞いたから来てみたけれど、その、思っていたより広くて困っているのです。」

ハーブを入れるために持ってきたカゴにはベリーやくるみなどが並んでいるが、目当てのハーブがひとつも見当たらない。

「緑の塔に住んでいるのに私ったら、この辺りのことあまり知らないから。」

【絡みありがとうございます。】

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.44 )
日時: 2017/10/26 17:49
名前: 流沢藍蓮 (ID: GfAStKpr)

>>43
【緑の草原にて/アズライト】

 名前を呼んだがすぐには反応がなかった。アズライトはそんなにおかしなことをしただろうかと首をかしげた。ただ気まぐれに声をかけてみただけでそこまで驚かれるとは意外であった。確かに彼自身冷たい雰囲気を宿していることは自覚していたのだが、声をかけるだけでそんな変な反応をされるとは思っていなかった。
 何秒も間をおいて、ヴェールニルが恐る恐る答える。
 そう言えば向こうに会ったのはほんのわずかな間だけだったから覚えられていなかったのかもしれないなと彼は思い至った。ちっぽけ記憶である、ただすれ違っただけのような、どうでもいい記憶である。
 彼でなければ、忘れてしまっても当然のような。

 彼女はハーブを探していると言った。確かにその籠にはハーブでないものがわんさか入っていたが、肝心のハーブは一つもない。この草原には本当にたくさんのものがあるから、肝心なものを見つけられなくても当然と言えば当然のことなのかもしれない。

 彼はここを何度も訪れた経験があるから、ハーブの自生地なんてすぐに脳裏に閃いた。
 彼は言った。

「ハーブ、か。様々な種類があるけれど……一般的によく使われるのがあるのは南へ少し行った方だ。僕は他にやることがないからな。折角だし案内してもいいが、どうする?」

 そう提案した。

 いつもの彼ならばこうやって積極的に人と関わろうとはしないのに。そもそも声自体かけずに素通りしたろうに、穏やかな草原の成せる魔法か、今日の彼はいつもとは違った。
 そう、いくら冷たく凍りついたって。氷はいつしか溶けるもの。どんなに冬が長くとも、いつかは必ず春が来る。春の来ない年なんてない。待てば必ず春が来るのだ。
 彼だってそろそろ、溶けるべきだ。彼の悲しみもすべて、過去のことなのだから。
 今を見なければ。

「……春が来る……」

 空を見上げ、アズライトは誰にともなく呟いた。

Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.45 )
日時: 2017/10/27 00:43
名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)

>>44

【緑の草原にて/ヴェールニル】

 青の塔の住人である(はずの)彼は、自分の求めている種類のハーブの他に複数、知っているようだった。僅かな違いの種類を見分け、この広大な土地のどこに生えているのかを記憶する力。対して話したこともない自分の名前を覚えていたことも含め、どうやらアズライトは記憶力が随分いいようだった。ともかく、ヴェールニルにとってありがたい提案を出してきてくれたアズライトにぶんぶんと大きく二回頷き、胸も前で両手を合わせながら「ありがとうございます。」と笑った。

 「私一人だったら、夜になってしまうかもしれませんでした。さすがに夜は狼が怖いもの、とても助かります。」

ヴェールニルはアズライトの横に並んだ。改めて、その冷たい顔とは裏腹に可愛らしい身長をしているものだから、ついつい笑ってしまう。身長なんてものは成長という概念がない自分たちにとってはどうにもできないことなのだけれど。

「あら、春はまだ来ませんよ。もうすぐ冬が来るんです。私、寒いのは苦手なんです。今のうちに薪割りをしておかないといけませんね。」

彼の言葉の意味をヴェールニルが汲み取れるわけもなく、そのままの意味で捉えた彼女はそう言った。ヴェールニルの心に、冬も氷も、存在しない。大きな穴はあるけれど、他人を警戒することも、疑うことも、嫌うことも、一切合切ないのだ。だから、今は少し緩和されているが、彼の持つ拒絶のような雰囲気にも気づくことはない。

「貴方は春がお好きなのですか?」















【参照1000超えたので、そろそろかみさまのラルムに絡んだお話を投下します。】

>>ALL様


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