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- Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】
- 日時: 2018/05/27 17:14
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: loE3TkwF)
夜と朝。海と空。探偵と怪盗。水と炎。赤と青。黒と白。創造と破壊。クローン、そして___________双子。Area Deiと呼ばれる者。片割れが死ねばもう一人も死ぬ。同調し、2人で1つとなるもの。同じようで、違うもの。今から紡がれる物語は、Area Dei達の、片割れを探し、戦う物語。
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はい、初めましての方は初めまして、そうでない方はこんにちはっ!銀色の気まぐれ者です。以前からやりたかったクローンと、双子と、研究所と、戦闘と、恋愛の要素を盛り込んでみた結果のスレッドです。はい。えー、前々からいろんなスレッドたててはロックしてたんですけど、今回はロックしないと思います・・・・人が来た場合。えっと、簡単な説明を致しますと、まず、参加者様は双子のうちの”片割れ”になりきって頂きます。1人3役まで、参加者様1人だけで双子を完成させるのはタブーとなっております。双子のうち1人は、クローンを研究している(この世界では双子とクローンは同じものとされています。同じ物というか同じようなものって感じですね。)研究所につかまり、残った1人は、捕まっている片割れを助けるために活動します。なお、ここでは絶対に10~16歳までの年齢しか扱ってはいけません。双子・およびクローンは10~16歳までがArea Dei(これは古の言葉で、Area Dei(神の領域)というのはクローン・双子、上記に記されたものを示す。似ているものの、どこか違うものを示す。)と呼ばれる為、10~16でお願いします。あとはキャラシートや注意事項をご覧ください!興味をもって、楽しんでいただければ幸いです!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~キリトリ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目次
>>1 世界観
>>2 Area Deiとは?
>>3 研究所
>>4 注意事項
>>5 キャラシート
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参加者様一覧
「セルシィ・アシュローズ」『>>12』【銀色の気まぐれ者】
「リフィ・アシュローズ」『>>8』【庵徒様】No.1
「セスト・ウィズダム」『>>20』【水城様】No.2
「ロレッタ・ラドフォード」『>>16』【みゃこ様】
「セリル・ウィンシー」『>>24』【銀色の気まぐれ者】
「シャル・ラキモテット」『>>26』【銀色の気まぐれ者】
「テリアス・リードオーフィ」『>>27』【銀色の気まぐれ者】
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.28 )
- 日時: 2018/05/25 23:23
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: KDFj2HVO)
【>>ALL 味方・雑魚・魔王を追加しました。どうやら、魔王にはなにかあるようで・・・・?】
【>>25 了解しました。】
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.29 )
- 日時: 2018/05/26 21:18
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: zbxAunUZ)
「・・・・。」
見てしまった。間違いない。絶対に、絶対に見えた。そう彼女は確信した。そう、あの無表情テリアスの、笑顔が___________見えたのだ。時は過去に遡る。彼女は研究所でテリアスと仕事をしていた。といっても、同じ部屋にいるだけで協力作業という訳ではない。テリアスはいつも無表情でクールなものの、「そこがかっこいい」と女性研究員から人気があった。テリアスは仕事も早く、研究所長と知り合いであることから、彼に逆らう者は居なかった。ふと時計を見ると、時間は午前9時20分だった。
(嗚呼、今日も徹夜か。)
眠い目を擦りながら、立ち上がって中庭へ移動する。中庭へつくと、彼女はカロリーメイトをかじる。あまり美味しいものではないものの、ここではこれを食べることを義務付けられている。太陽が眩しい中庭にはいってきたのは、先程まで仕事をしていたテリアスだった。いや、テリアスであるはずなのにどこか違った。いつもきちっとしていた髪は寝癖が目立ち、どこか違う人のようにも見えた。いや、違う人だった。
テリアス「おはよう・・・・久しぶりだなぁ、太陽の光浴びるの・・・・こんな日はピクニックでもしたいんだけど・・・・あ、そうだ君!一緒に行かない?」
そういって、テリアスは彼女の手を握る。あまりにも違った。もしテリアスなら、仕事を続けていたはずなのに。カロリーメイトは効率的だ、と言っていたはずなのに。
(どうして・・・・?)
どうしてこんなに変わってしまったのか、疑問に思い頭を働かせていると、キラキラと輝く無邪気な少年の瞳だったのが、虚ろな瞳へ変わった。いや、戻った。
テリアス「あ”ーーー・・・・・・ねぇ君、今のは見なかったって事でいいよね。いいでしょ。じゃあ私は仕事に戻るので。」
そう言葉を残して去るテリアスに、彼女は開いた口がふさがらなかった。その後も、その姿を見ることはなかったし、人に相談することはなかったものの、どこか引っかかる。そう感じた。
【テリアス君の小話編です!悪い人じゃ・・・・ない、のかな・・・・?】
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.30 )
- 日時: 2018/05/26 14:36
- 名前: 水城 (ID: 7NcgQhKb)
>>29
セストは疲れたような表情で第五研究室を後にした。空が明るくなった午前5時、双子への人権意識など微塵もない職員達が彼らの興味――研究を最優先するのは当然のこと。それを拒否したり暴れたりすれば無駄な時間と体力を消費するというのは囚われた片割れが最初に学ぶことだった。特に、少年は暴力に晒されやすい。それに抗うよりも彼らの要求を可能なかぎり早く満たすことが自身の安全に繋がっていると理解してからセストは抗うのを止めた。そのお陰で身体の怪我は目に見えて減り、今回も自力で研究対象用の牢屋まで戻れる程度には元気だ。重たい足を引き摺るように階段を下りていると、その途中で踊り場の窓から中庭の様子が目に入った。
「あれは……」
そこにいるのは2人の大人。研究所の裏ボスと噂されている青年と囚われた子供達に同情的な女性。すぐに彼らは別れて、その場に女性だけが取り残された。彼女はこちらが尋ねれば様々な情報を簡単に教えてくれる職員だと聞いている。皆の起床前、人気のない中庭――これはチャンスだ。足音を潜めて中庭まで降りていった。
「おはようございます。あの、徹夜で忙しそうにしている職員が多いみたいだけど……何か、変わったこととかあったんですか?」
慣れない対寧口調を流暢に操って周囲をぐるりと見渡した。大丈夫、まだ周囲には誰もいない。安堵の息を吐くと多少の警戒を纏わせて彼女へと近付いていった。脱走に対しては否定的でも後手に回ることを良しとした覚えはない。研究所内外の様子、研究の進捗具合など聞きたいことは山のようにあるのだ。さて、どのように話を運べば短時間で効率的に情報を集められるか――穏やかな笑顔の裏で冷静に計算していた。
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.31 )
- 日時: 2018/05/26 20:55
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: zbxAunUZ)
【あ、”研究所”のところに、中庭・休憩時間について記載いたしました。あと、ホワイトボードの内容も記載予定です。】
彼は一体何者なのか、そんなことを考えていると、眠気と疲労感が一気に襲ってくる。
(眠いしだるい・・・・。)
それでもまだ仕事が残っていることに溜息をつき、さぁ続きをしなければ、と立ち上がろうとした時、聞き覚えのある声が聞こえる。聞こえたほうに向くと、赤と深緑のオッドアイ、淡い蜂蜜色の髪・・・・。
(ああ、そうだ、彼は、確か・・・・。)
「セスト・ウィズダム君・・・・だよね。」
彼の名前があっているか不安な思いでいっぱいだが、確かあっているはずだ。彼は暴行・研究に抵抗をせず、大人しい為研究員達の中では”やりやすい”と評判だ。まぁ、いい実験ではないのだが。実際攫ってきている訳だし、誘拐にあたるだろう。
「・・・・大丈夫、徹夜なんてよくある事だもの。そうね、なにかあったといえば・・・・・・この頃外で片割れを探すグループみたいなのができたらしくてね、この前研究員が襲われたの。幸い軽い火傷程度だったけど・・・・。彼は、酔って研究所の事を暴露したらしいから、ここがばれるのも時間の問題かしら。私としては、ばれてもらったほうがいいのだけれど。」
ふぁぁぁ、と欠伸をして眠たい目を擦る。通路を歩く研究員も、皆眠そうだった。彼の思惑がわかったように、ああ、そうそう、と付け足す。その声は、周りの研究員に聞こえない様にする為か、小声だった。
「情報が欲しいなら、第一会議室のホワイトボードにいっぱい書かれてるわ。鍵がかかってるけど、会議の後は皆めんどくさくて鍵をかけてないから、会議が終わって30分位ならホワイトボードを確認できるわよ。あと、私の名前はセリル・ウィンシー。この研究所を潰す為なら貴方達への協力は惜しまないわ。」
余程恨みがある、というか恨みしかない。彼女に首にある首輪は、一歩研究所の外に出ると彼女の首を絞めつけ、絞め殺す。そんな仕組みになっている。研究所長の白手袋をかざさないと外れないこの首輪は、彼女の死を握っている、忌々しい呪いだ。
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.32 )
- 日時: 2018/05/26 21:23
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: zbxAunUZ)
【時間が間違ってたので修正しました。】
彼女から離れたテリアスは、一人溜息をつく。いつ、変わってしまうのか。自分でもわからなくなって、嫌悪感がする。いつ、いつ、いつ。
「・・・・また、また、真っ暗闇・・・・・・。」
独り言を呟いて、牢屋へ行く。様子見、といったところだろうか。スケジュール的には研究室で研究が行われているはずだが、もう終わっているだろう。今は9時35分。9時30分に終わって、その後は休憩時間。薄暗い牢屋へつくと、コツ、コツ、と足音をたてながら、牢屋を見回る。
(いるところといないところがいるな・・・・そういえば、次の時間は休憩か。それなら自由に遊んでいる事だろう。)
先程の”誰か”を思い出し、すこしめまいがしてくる。また、真っ暗闇へ戻るのだろうか。そんな考えが浮かんできて、不安が募る。もう、戻りたくない。もう、なりたくない。もう、もう、もう。・・・・・・・・あの真っ暗闇を、永遠に、歩きたくない。
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.33 )
- 日時: 2018/05/27 14:26
- 名前: 水城 (ID: 7NcgQhKb)
>>31
セリルと名乗った女性研究員に名を当てられ、セストは大きく目を見張った。大抵は衣服に記された番号で呼ばれるのだ。ここにいる大人は研究対象を道具として扱う者が多く、名前を呼ばれるということは皆無に等しい。更に、彼女が齎した情報──救出作戦を企んでいる者がいるという事実、彼らが職員を襲撃したという事実。そして、ちらりと滲んだ研究所への憎悪。
この研究員を信じてもいいのだろうか。
天秤は僅かに信用へと傾いたが、研究所内の大人達が荒みすぎていて諸手を挙げての信用は難しい。ホワイトボードに記されているという情報を見てから判断するべきだろう。
「……ありがとう、ございます」
すっと視線を外し、ひとまずは深々と頭を下げて第一会議室へと向かう。被験体が居ても違和感がない場所は堂々と歩き、第一会議室の前まで来ると慎重に周囲を確認して素早く滑り込んだ。不用心に放置されていたホワイトボード──そこに記されたセストに対する所感は、まぁ、些細なことだ。無抵抗を心掛けてからも執拗に暴力を振るうのは一部の職員のみ。彼らの面差しは記憶にしっかりと刻みつけてある。ボードの上から順々に追って、最後の人物まで到達したとき思わず掠れたような声を上げていた。
「ロレッタ……?」
どれほど眺めても板書の名前が変わることはない。ホワイトボードの前で絶句しているセストの背を冷たいものが伝っていく。片割れの性格は自分が一番よく知っている。そう、自負している。自分が囚われいると思えば勇んで参加するという奇妙な確信があった。彼女がここにくる──それは喜ぶべきことだが、セストとしては避けたいことでもある。裕福な夫婦に拾われ、研究所からも「監禁不可」と認識されている片割れは、これ以上ないほど安全な場所にいる。このまま最期まで幸せに生きてほしいというのが本音だった。
「……もっと、情報がほしい」
セリルと名乗った女性を信用しよう。彼女が中庭に留まっていることを願い、顔面蒼白のまま来た道を戻っていく。終わりの見えない研究のため酷い表情をした子供が溢れているからか、誰かに見咎められることもなく目的の中庭まで戻ってきた。もし先程の女性研究員が留まっているのなら矢継ぎ早に問いを投げるだろう。
「この施設で戦闘の心得があるのは誰?その人は普段、どの研究室にいる?」
「研究所と外を繋いでいる抜道はある?」
「俺達の白手袋はどこにある?」
「この研究所は研究室が多いけど、一番重要な研究成果があるのはどの部屋?」
現状では片割れの動向を把握するのが最優先。でも、実際に事が起きたときに右往左往して足手まといになるなど御免だ。自分の備えが足らずに片割れを危険に晒すなどあってはならない。だから、内部の把握など自分の立場でできることは確実に熟しておきたかった。
【住民票代わりの白手袋について質問があります。
1、貧民街出身でも支給されるという認識でいいですか。
2、魔力が高くても白手袋がなければ魔法の使用は不可という認識でいいですか。
3、研究所に監禁された子供は研究員の安全確保のために白手袋を取り上げられると想像しました。違っていたら修正するので返答をお願いします。】
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.34 )
- 日時: 2018/05/27 17:42
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: loE3TkwF)
【>>33 1:はい。貧民街出身でも、役所にさえ行けば無料で発行されます。2:はい、その認識でOKです。白手袋は魔法と人を結びつける橋のようなものなので、白手袋を使わないと魔法は使用できません。3:そうですね、取り上げられます。】
【>>ALL >>0に衣服の番号を追加しました。】
彼女は、すこし驚いている様子のセストの体に目を向ける。痛々しい傷や注射の跡が、罪悪感を更に強まらせた。深々と頭を下げてその場を去るセストを見送り、中庭で少しの間眠る。その時間は数分程だっただろう。途中、セストが戻ってきたからだ。彼女はセストの足音で目を覚ます。それ程大きくもなかったのだろうが、神経質になっていた様で、足音で目を覚ましてしまう。セストは焦っている様で、いくつもの質問を投げかけてくる。セストが口を開き終わると、その質問の答えを返していった。幸い、忙しさで周りに人はいない。
「戦闘・・・・近接攻撃なら男女関係なくほとんどが使えるけど、私は魔法しか使えない。それもそこまで強力じゃないし、回復魔法とちょっとした攻撃魔法くらい。あとはここの裏研究所長のテリアスさん。その人がここを指揮しているわ。テリアスさんは様々な魔法を使えるみたいで魔力も多いわ。それこそ双子並みに。で、あとはシャル・ラキモテット。その人が一応ここの研究所長だけど、魔法も使えないし戦闘もできない。セクハラジジイって皆呼んでるわ。ただ、子供とか女性とかには気が強いから、一応危険といえば危険ね。抜け道・・・・はないと思うわ。正面ゲートから出るしかない、かしら。でも、地下に通路があるって聞いたことはある。研究所の1階のどこかに入口があって、そこから地下通路に行けるらしいけど、場所まではわからない。白手袋、は三階休憩室のソファの下にあるスイッチを押すと、近くにある小さな机の引き出しの鍵がひらくから、そこに全部はいってるわ。一番重要な研究成果は、主に双子の事かしら。第三研究室の右奥の本棚の上から3段目、左から4個目にノートパソコン位の大きさの黒い本があるでしょう?あれは本型のノートパソコンで、大事な資料はそこに全部はいってる。パスワードは3456-8762-2290。」
一通り話し終わると、先程のパスワードを記した紙を渡し、立ち上がって伸びをする。そして、”ああ、あと”と付け足し、すこし話を続ける。
「私はここから出られないの。小さい頃に誘拐されて、それからずっとここに住んでる。研究所から出たら、すぐにこの白い首輪が私の首を絞めつけるのよ。住んでた村に帰りたいし、ここから出たい。私は貴方に情報を渡すから、貴方は私が出られるように手伝ってくれない?それにプラス、できればここを潰すのも。」
家族の事を思い出し、作り笑いがすこし悲しそうな微笑みへと変わる。優しい母、すこし厳しい父、可愛い妹・・・・。ここに来てから、あの思い出がすべてなかったものだと感じてしまう。帰りたい、戻りたい、逃げたい。そんな思いは、次々とくる仕事に打ち消される。そして、彼女は暴行・セクハラも受けている。白い首輪に隠された絞めつけた跡も、足にいくつもある切り傷と青痣も、手首のリストカットの跡も、彼女の白い首輪が”他人につけられたもの”と証明するには十分な証拠だった。
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.35 )
- 日時: 2018/05/31 15:59
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: 6..SoyUU)
【結構な時間が過ぎてしまいましたが奈由さんからの返答が来なかったため、本編を開始致します。小話の方は返信が来ましたら、それに答える次のレスで強制的に終わらせますのでご了承ください。】
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.36 )
- 日時: 2018/05/31 20:13
- 名前: 水城 (ID: 7NcgQhKb)
>>34
パスワードが描かれた紙を躊躇なく受け取って眺める。3456-8762-2290――大丈夫、ちゃんと頭に入った。割り当てられた牢に戻ったら速やかに処分しよう。万が一、横暴な研究員達に見つかったら今までの比ではない暴力が待っているだろうから。少年は受け取った紙を小さく折り畳んで拳に握り込んだ。
「…………ありがとう」
まさか、これほどまで詳細に教えてもらえるとは思わなかった。1階を調査して地下通路を探したり、白手袋の在処を確認したりと情報の信憑性を確認する必要はあるだろうが、それでもセストが知りたかった内容は殆んど聞けたはず。特に、職員の大半に近接戦闘の心得があると知れたのは大きい。小声で感謝を告げてから誰かの目に留まる前に危険な相談を切り上げようと背を向けるが、ふと付け足された言葉に足が止まった。
「研究員なのに……?」
緩やかに振り向いた先には女性の柔らかな笑みがあった。その中に微かな悲哀を感じ、セストは訝しがるような眼差しで女性の全身をぼんやりと眺め遣る。まずは白い首輪に目が留まり、次に四肢に見られる痣や切傷へと移っていった。首輪の下にあるだろう鬱血跡までは流石に確認できなかったが、これまでの言動と合わせれば色々と腑に落ちる。なるほど、彼女自身の為でもあるわけだ。
「……俺は自分から事を起こすつもりはないんだ。でも、片割れが乗り込んできたら後の憂いを絶つためにも此処を再起不能にするつもりで動く。そのときにはセリルさんも外に出られるよう取り計らうよ。そういう共犯関係だと駄目かな?」
研究所の襲撃時には所長を生け捕りにして首輪を外すよう命じよう。この施設を再起不能にした後、彼女が世間から研究員としての責任を問われるなら被害者の立場から庇おう――少年にしては大人びた微笑みと共に提案してみた。
- Re: Area Dei(募集中)【戦闘・恋愛】 ( No.37 )
- 日時: 2018/05/31 21:03
- 名前: 銀色の気まぐれ者 ◆MMJVxNkRYU (ID: 2SAdfaY9)
ここは元々野蛮族の集まりと、貴族の息子、そしてテリアスがたちあげた研究所だ。ほとんどが武術を習得しているが、そこまですごいという程でもない。だが、その中でも”リーダー”と呼ばれる者は格段に強い、と言われている。なんでも、騎士10人でも敵わないんだとか。
「・・・・研究員に、なりたくてなったんじゃないわ。」
悔しそうにぎゅっと唇を噛みしめる。そう、なりたくてなったんじゃない。”ならされた”んだ。覚えられなければ家族に手を出す、そういわれて。もっとも、手を出せるなんて思っていない。・・・・だが、自分が従っていればいいこと。そう、思ってしまうのだから。
「ええ、それでいいわ。私は、出て、ここを手伝っていた償いをして、償いが終わったら家族に会えればいいんだもの。・・・・いや、終わるものじゃないわよね・・・・。罪は、いつだって消えるものではないのだから。」
瞳を潤ませてそういうと、「じゃあもう行くわ。頑張って。」とだけ言い残し、相手の返答も聞かずに去ってしまう。すぐに自分の個室へ戻ると、鍵をかけ、布団にくるまる。そして、静かに涙を零した。
「母さん・・・・父さん・・・・リルエ・・・・。」
顔を手で覆いながら、誰にも救いを求めれない、首輪のついた美しき鳥は、一人、その感情を涙へのせて溢れさせた。
【>>ALL なお、本編は小話編からすこしあとの時間帯になります。スレ主のロルの上に時間帯を記載致しますので、お使いください。】
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