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レディーシンデレラと灰色の悪夢 -リメイク-
日時: 2019/07/23 18:54
名前: フィガロ (ID: RfGF3WeF)


他の誰もが当たり前に持っている“それ”を、僕らが持たない理由とは何だろう。

 *

 濁るような灰色の空。どれだけ北風が吹き荒れても、天井を覆う厚い雲が消え去ることなどありはせず、その下には何処までも続く森が鬱蒼とした姿で広がっている。この場所に、木漏れ日が降り注がれた日を、彼はの絨毯が照らされた日を、生まれてこの方知りはしない。

 木々たちの奥から聞こえてくるのは愛しき灰色が弾いているヴァイオリンの小夜曲だ。破廉恥なほどに悲哀のこもった弦の音は、僕の鼓膜から脳を通って、心までも腐らせそうに不愉快だった。まるで悲劇のヒロインのヒステリックな叫び声。嗚呼、煩わしい。そうだな、街の方から聞こえてくる子供達の楽しそうな燥ぎ声と同じくらいに、聞くだに憎たらしい心地になる。きっと連中の空は澄み渡るような空気を撒いて、何処までも晴れ渡っていることだろう。
 鮮やかなことだ。その光のいたずらは、みすぼらしい僕たちには眩しすぎて目がくらむ。此処から手を伸ばしたって今更手にすることもできないのに、今日もわが町は美しく輝いている。呪われた僕らへの当て付けのように。

 *

 「 突然だけど、明日からこの家で人を雇うからな 」

 昨日の夕餉の席、“家長代理”が唐突にそう言った。およそ14人からの共学の視線などまるで気にせず、スープをすすってローストビーフを咀嚼した。いつもの如くさも平然とした表情を崩さない。場の空気が固まっているのなんてお構いなしなその彼に、3拍置いて“仕切りたがり”が立ちあがった。

「 ちょっと待ってよ。なにそれ、どういうこと? 」

「 だから、そのままの意味だって。掃除洗濯とか、そう言うのやってくれる人雇ったから 」

「 なんでそういうの勝手に決めんの!? っていうか何考えているのお前!! 」

「 年上にお前とか言うなっての。つーか俺が勝手に決めたんじゃねーよ。なんか爺さんの友達だか知り合いだかの子供らしくてさ、自分が死んだら他に身寄りが無くなっちまうからうちで引き取って欲しいって。養子が無理なら使用人でも庭師でも何でもいいから雇って食わせてやってほしいって頼まれたんだとさ。だから文句があるなら妙な約束した爺さんに言え、じいさんに 」

 冗談みたいな家長代理の台詞に、笑い声が聞こえた気がした。けれどもそれは不機嫌な顔をした“女王様”の声ではなかっただろう。

「 死んだ奴にどうやって文句言えって言うのかしら。馬鹿じゃないの? 無関係の赤の他人をこの屋敷に入れるなんて良いわけない。だってそいつ 」

「 当たり前だろ。色彩カラーだよ 」

その言葉にそこにいる多くの者は息を呑んだ。緊張感無い彼の口から飛び出たそれに、僕だって心臓が跳ねたのを覚えている。
この家に来ると言うその人は、僕らの持たない“それ”を持つ。それってどういう感じなんだろう。想像すれば複雑な感覚が、感情が、食道を通って口から溢れそうになった。

 わからないけれど、君は、鮮やかなのだろう。太陽の光に包まれた君は、鮮明であり、きっと僕には眩しいだろう。

 このモノクロームの視界の中で、きっと君は1人僕を焦がれさせるだろう。それだけはなんとなくわかっていた。この長い時間、僕がずっと憧れ続けていたものだから。愛することだろう、きっと最初に見た時から。

 憎む事だろう。最後に見る時まで。

――

(ご挨拶)>>1
(概要)>>2
(指名キャラ♂)>>3
(指名キャラ♀)>>4
(参加者様)>>5
(ルール)>>6
(登録証)>>7

――

準備中

Page:1



Re: レディーシンデレラと灰色の悪夢 -リメイク- ( No.1 )
日時: 2019/07/23 18:57
名前: フィガロストウン (ID: RfGF3WeF)



(ご挨拶)

皆様、お久しぶりです。
元々ふぁいらという名義でこちらのスレッドを運営(と、言えるのだろうか……)させていただいていましたフィガロストウンと申します。
久々に小説をカキコを訪れ、また文章を書きたい! だれかとなりきりスレッドで絡みたい! と思った故にこちらのスレッドを復活させていただきました。

せっかく復活するならば、このスレッドも元々のスレッドより趣向を凝らしたものとして蘇らせたいと思っています。
色々とルールが増えたり、面倒なお願いも増えるかもしれませんが……それでもお付き合いいただける方がいらっしゃれば幸いです。
宜しくお願い致します。

フィガロストウン


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