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Re: あわいをうつろう小舟に揺られ [いちいち・指名制/募集開始] ( No.32 )
日時: 2021/01/07 02:15
名前: ヨモツカミ (ID: GC8OxdMB)

>>31 とりまやり取りすごく楽しいし、気長にのんびり進めていきましょ。私の返信が早かったとしても焦らなくていいからねー。
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「そう、わたしの名前の話をしようか。わたしの本当の名は、天音あまねという……天の音、と書いてな。奇くしくも、きみと同じだ……そしてこの名が、嫌いなことも。わたしはきみに共感していたのかもしれない。何も関係の無い、第三者とは思えなかった」

 無表情に告げられた言葉に、そぷらは目を丸くした。
 名前なんて、記号でしかない。そぷら自身がそう考えていたとしても、名前を与える存在というのは、願いや意味、沢山の想いを込めて名を与えるものだ。だから自分の名を嫌悪すること。それは、名を与えてくれた存在を否定することに繋がる。
 だとするなら、音羽は自分の名を嫌悪した挙句、偽名まで使っていた。名付けた人を嫌い、自分自身も嫌い、その新しい名で生きるという選択をした。──その行動が、どれほどの痛みを伴うものなのか、そぷらには想像もつかない。
 あまね。そぷらが呼び間違えられる響きナンバーワンで、そぷらからすれば、自分の名があまねという普通の読みならどれだけ良かっただろう、とさえ思ってしまうものだ。つまり、そぷらからすれば少し羨ましささえ抱く名前なのだが、彼女はそうでないらしい。

「ホント、運命感じちゃうねー! 名前の字が一緒なのに、ウチら全然似てないんだから、めっちゃワロたンゴ! それ聞いたら、ウチも音羽……えーとあまね? どっちで呼べばいいんだろ、まあなんか、他人って感じしなくなっちゃったわ」

 ヘラヘラするのはやめる。
 ずっと同じ体勢をしていたせいで、痺れはじめた足を組み替えて、真剣な顔で訊ねる。

「ね、聞いてもいい? なんで名前、嫌いなん?」