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- Re: 【質問・ご意見】専用スレッド・9コ目 ( No.67 )
- 日時: 2014/05/02 20:11
- 名前: 副管理人 ◆qMxJS2Fu4U (ID: QYM4d7FG)
【二次小説(映像)板の、念のための復旧用コピペです。もしもご入り用でしたらこちらからお使いください。ご不便をおかけし申し訳ないです。 〜続き(9)〜】
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■リュウセイさん分
半年前。俺が停学になる丁度2ヶ月程前のことだ。
セディは折り紙つきの悪だ。授業妨害。喧嘩。万引き。かつあげ。飲酒。バクチ。ところも時も構わず考えられる限りの悪事を繰り返す彼女に恐怖していたハイスクールの生徒達だったが、中でも最も恐れられていたのは、彼女と取り巻き連中による酷いいじめだ。
その存在自体は知っていた。
毎月、多いときには毎週、セディの気分によってターゲットの生徒が決められ、数日間いじめを行う。
対象となるのは比較的目立たなく弱い生徒。ほとんどが女子生徒だ。校舎裏に連れ出されての暴力や金の要求は当たり前、酷いときには無理矢理悪事に手を染めさせたり、ポケモンを使った暴力も行われていたという。
ミリはゴミ捨て場のある校舎裏の雑林に足を運んだ時、偶然その現場に遭遇したらしい。
フシギバナの蔓の鞭によって針葉樹の根本にくくりつけられた少女が、四人の女子生徒に囲まれ、何か言われている。それに対して少女が何か言い返す度に、四人は少女の腹や足を激しく蹴っていた。四人の後ろでセディが腕を組みながら笑っているのを発見し、ミリはそれがセディによる“いじめ”であることを理解した。
しばらくの間物陰から様子を窺っていたミリだったが、少女の顔が殴られて口元から一筋の血が流れ出たのを見ると、いてもたってもいられなくなった。全速力で走り出し、四人を押し退けて少女に「大丈夫」と声をかけた。短い茶髪が泥やゴミで酷く汚れている。ミリはそれらを両手で払い、取り出したハンカチで口元に付いた血液を拭った。
少女は無表情のまま何も答えなかった。だがその瞳だけは強い光を宿していた。決していじめを受けている弱い人間のものではない。何かを訴えようとしている戦う人間の目だ。
何なのこの子。ミリがそう思った矢先、
「後ろ」
少女の声にミリが振り返ると、セディが酷く気分を害されたような表情で目の前に立っていた。咄嗟に身を引いたが、まるで獣のような瞬発力で繰り出された拳が、あっという間にミリの顔面を捉えた。地面に倒れたミリの胸ぐらを掴み上げ、セディは隣の樹の幹に叩き付けた。
「マジ冷めるわ。あんたが代わってくれるわけ?」
痛みに踞るミリには目もくれず、セディはすぐに少女に目を移した。
「撤回しろよてめえ。うちがポケモンを愛してないだと?」
「ええ。そう……。あなたはあなたのポケモンのことを何も分かってない」
そう言った少女の言葉は流暢だが、どこか悲しげだった。
セディの鋭い目が見開かれる。
「ふざけんじゃねえ。お前に何が分かる? うちはうちのポケモンを愛してる。こいつだってうちが大好きなはずだ」
セディはフシギバナの頭を撫でながら言った。少女は全く表情を変えない。
「それはあなたの勘違い。フシギバナはただあなたが怖くて従ってるだけ。あなたのことなんて……塵程も信頼していない」
「どうしてだ! どうしてそんなことが分かる!?」
「私には分かるの……。ポケモンの気持ちが」
少女には全く引く気がない。
怒りなどとっくに通り越したと言わんばかりの眼光で、セディは少女を睨み付けた。そして不意に笑った。
「どういう立場にあんのか分かってねえみてえだな、お前。思い知らせてやるよ。フシギバナ」
大きな四つの足が枯葉で埋まった地面を踏みしめる。少女の眼前に迫ったフシギバナの耳元で、セディは小さく言った。
「ハードプラントだ」
その言葉に、セディの子分の四人がざわついた。一人がセディの横に並んで言った。
「いくら何でも、それは不味いんじゃ……」
「ああ?」
「死んじゃいますよ……そいつ」
「構わねえ。こいつが悪いんだ!」
子分を押し退け、セディは再び言った。
「フシギバナ、この異端児にハードプラントだ」
だが、フシギバナは動かなかった。
「どうした。早くやれよ!」
セディの恫喝にフシギバナは体を震わせた。しかしやはり、技は繰り出さない。額から大量の汗を流し、首を横に振っている。
「ふざけんなよ!」
直後、セディがフシギバナの腹を蹴り上げた。フシギバナの顔が苦痛で歪む。
「やめて!」
少女が叫んだ。
無表情を保っていた彼女が、ようやく感情を露にした。
「ポケモンに手をあげるなんて……。その子は分かってるのよ。人間よりポケモンの方が強いってことを。やっぱりあなたは、ポケモンを愛してない!」
「うるせえ!」
フシギバナに向け、更なる拳が降り下ろされる。
「サイコキネシス!」
その瞬間、拳の動きが止められた。
ミリのモンスターボールから出たサーナイトが、セディに両手を向けている。
「こ、いつ……」
セディが苦悶の表情を浮かべる。
「……フシギバナ、サーナイトに葉っぱカッターだ」
フシギバナは何故か葉っぱカッターを放った。鋭い葉の散弾に捕らえられたサーナイトが一瞬で戦闘不能になって倒れる。
ミリはサーナイトを戻し、別のモンスターボールを取り出した。
「ピクシー、フシギバナを守ってあげて」
繰り出されたピクシーがフシギバナとセディの間に入る。だがセディは止まらなかった。
(次のレス記事につづく)
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