ぼくも書いていいですか?
書きますっ!
「魔法の言葉」 第一話
ぼくには、好きな人がいる。
といってもそれが『好き』だということなのか、なんて分からないのだけれど。
唯一分かるのはその人にはそのことが伝わらないということ。
・・・そう、伝わらないのだ。
皆さんにはこんな冒頭で悪いとおもっている。
しかし、それをいわなきゃこの物語は始まらないのだから仕方がない。
まあとにかく、聞いてほしいのだ。
事の発端はタクミだった。
タクミはぼくの好きな人――――サクラの弟だ。
だが、3年前に死んだ。
ぼくの兄のいじめによって。
ぼくの兄――――マサ兄はコーヒーが好きだった。
ぼくはマサ兄のとなりにいた。
マサ兄はコーヒーを飲んでいた。
そこにタクミが通りかかった。
ドンっと大きな音が鳴った。
タクミがマサ兄にぶつかったのだ。
二人ともばたっと倒れた。
「いってえな・・・。」
マサ兄がつぶやく。
タクミはあわてて近づいてくる。
マサ兄とタクミは部活が一緒だったのでお互い知り合いだった。
「すみません!だいじょうぶですか!?」
ふと、マサ兄がコーヒーのカップを見た。
とたんにマサ兄から殺気がただよった。
たくみもそちらを見て・・・真っ青になった。
そう。
コーヒーがこぼれてしまっていたのだ。
マサ兄にとって、コーヒーをこぼすやつ=敵だった。
・・・それにマサ兄は学校内では王様的存在だったのだ。
「・・・いまにみてろよ・・・。」
マサ兄はいった。
いきなりすみません!
とちゅうですね・・・。
またかきにきます。
それってだめですか?
「魔法の言葉」 第二話
その数日後。
ぼくはあたりをぶらぶらあるいていた。
すると。
♪きーらーきーらーひーかーるー
よーぞーらーのーほーしーよー
歌声が聞こえた。
美しい声だった。
ぼくの心に好奇心が芽生えた。
・・・だれだろう。
のぞいて・・・。
後悔した。
そいつは・・・タクミの姉、サクラだった。
「サク・・・ラ・・・さん」
ぼくはつぶやいた。
サクラは振り向いた。
「あ、マコトくん。」
彼女は笑顔で僕の名前を呼んだ。
罪悪感が芽生える。
ごめん、サクラさん。
ぼくの兄が君の弟をいじめてるんだ。
そんな笑顔をぼくに向けないでくれ・・・。
すっごくつらいから・・・。
ぼくは泣き崩れた。
すくないね。
ごめん。