私も参加宜しいですか…? 以前から参加したいとは思ってたのですが(苦笑
『黒を願い、白が欲しいと』
僕が不登校になった理由などざらにある。勉強、環境、友達……話しだすとキリがない。だが、どの理由も僕自身が弱いから引き起こしたのである。誰の所為でもない。僕自身が悪いのだ。
学校が嫌いになってから、僕は唯一、言う事を聞いていた親にも、反抗するようになった。親はそれに憤りを感じ、暴力を振るってきた。悪いのは僕だ。僕は殴られてもなんとも思わなかった。それを見た親は、病院に連れて行こうと言い出した。精神科医でもいい、とにかく連れて行こうと。
僕はそれを拒んだ。僕はどこもおかしくないからだ。おかしいと思っている彼奴らがおかしいのだ。程なくして、僕は引きこもりになった。
親はそうなってから優しく扱ってきた。「私が悪かったわ。お願い、出てきてちょうだいよ」と。それに応える事はなかった。ベッドに横たわり、母の甲高い声をただ聞いていた。母と父が、喧嘩している。勿論、僕のことであろう。
僕がこうなったのを、あろうことか他人の所為にたくし上げようとしているのだろう。それに腹が立つ。これは僕の意思で有り、誰の所為でもない。
暇、だった。僕は何もしなかった。家にゲームや漫画、パソコンがないからだ。携帯はあるが、する事はない。メールが来るわけでも、ソーシャルゲームをするわけでもないからだ。ただ、時間が流れるのを待っていた。
僕の部屋のドアをノックする音がする。母のものだ。母は決まって同じ時間にごはんを持ってくる。僕がそこでドアを開けることなどないが。
「歩(アユム)……ご飯、置いとくからね。朝ご飯、食べなかったでしょ?」
母はそれだけを言い、二階から降りた。僕はその音を聞きとり、ドアを少し開ける。そして、ご飯やおかずが置いてあるお盆を取った。
不思議だった。何もしていなくとも、腹は減るから。まぁ、どこかでエネルギーは使われているのだろう。
ふと、僕は考えた。世界を色で表すとしたら、僕は何色なのだろうと。
答えは簡単。黒だ。黒以外何物でもない。黒に染まっている。
心の白いキャンパスは黒の絵の具で塗りたぐられてしまった。それを夜空と表して、綺麗な花火でも打ち上げる訳でも無く、ただ黒い。白など垣間見ない、黒。
僕が外へ出て、青い光を受け入れる心があれば、黒い空から青空へと変わるかもしれないが、そんな心は生憎持ち合わしていない。橙色の太陽は僕を照らさず、照らすことを許さない。その光を必要としないから。
感情を色で表すとしたら、楽しい・嬉しいが黄色、悲しいが青、好きが桃色、怒りが赤、喜ぶは橙だろうか。僕はそんな感情は枯渇、していた。
笑う事も、泣く事も、喜ぶ事も、悲しむ事も何もなかった。無だった。無は……黒だろうね。よく似合ってるよ。
無のキャンパスに楽しいという感情が降ってくれたらどれだけ良いだろうか。それだけで明るくなる。そしたら、いずれは黒もなくなるかもしれない。
黄色の光が降り注ぎ、キャンパスを埋めるんだ。さぞかし綺麗だろうね。ぼくはそんなキャンパスを見れるだろうか。今のままでは……
羨ましく思った。僕にないものを、光は持っているのだ。それを欲しい。黄色という光の中に白がある。それが羨ましい。黒い僕を白く、照らして欲しい。
僕は、僕は……まだやり直していいのではないか?
そうだ。僕はまだ、全部黒くはない。
僕は光を遮っていたカーテンを勢いよく開ける。そこには白い光があった。僕の黒いキャンパスを白く塗り替えているような気がした。
僕は服を着替え、ドアを開けた。僕はましてや、ガラでもない明るい色合いの服を着込んでいた。
下へ降りると、母が信じられない様な目で僕を見た。僕はガラでもなく笑った。
「母さん、ただいま」
ガラでもなく、僕は母を抱きしめた。母は泣いていた。
僕の心のキャンパスは今、白の絵の具で塗りたぐられ、そこに橙や黄色や桃色、青などの色が虹を作り上げていた。
end
意味不明だ……黒から色が変わるってしたかったのに…orz
楽しく書かせて頂きました! 有難うございました。