*三人称小説について思うところ。
三人称小説とは?
主語が『彼』『彼女』や、『加奈』などの人物名であり、物語が登場人物と関係のない第三者の視点、もしくは作者の視点で進められることが多い。三人称小説の視点は別名、神の視点とも言われ、視点の変更がどちらかと言えばしやすい。
例えると、カメラで風景を写しているイメージ。この時、カメラのレンズ=撮影者。
つまり、写っている被写体の視点で物語が進められることは決してない。視点の中心となる登場人物を写しながらも、必ず、周りの風景が写っている。いわば、集合写真を撮る感じ。
なので、その時その場面に、キャラが何を思ったのか、どういった感情なのかは、推測でしか描写できない。
物語の全体を描写しやすいため、世界観、設定、時系列などの説明がとてもしやすい。客観的に物語を進めることができる。
その一方、物語が淡白になりやすいのがデメリット。
語尾の重複や連続、文章リズムなど、地の文での描写に気をつけなくてはならない。
代表的なのが「~た」「~だった」の連続。これが続くと、物語の流れが途切れてしまい、読者が飽きてしまうなどの可能性がある。
三人称小説のポイント
ここからは、あくまでも私が書くときに注意していること。参考になれば幸いです。
登場人物への感情移入はNG。感情よりも、動作や容姿、表情、話の流れなどを重視する。一人称ではキャラになりきると書きましたが、三人称ではキャラが目の前に立っていることを意識。どんな場面で、どんな風景で……。5W1Hを活用するのが良いと思います。
三人称小説で一番難しいのが、説明文です。小説の世界観や設定、回想……。上にも書きましたが、文章リズムと間がとても大切です。
説明ばかり、つらつらと並んでいる文章は、読みづらくないですか?
適度に改行して段落を作ったり、キャラの会話文を間に挟んだり。一度に全て説明するのではなく、少しずつ、小分けに出していく方が続きが気になる小説にはなりやすいです。
また、地の文だけで説明するのではなく、キャラも活用してみましょう。
例えば、遠くに大きな塔があるとします。「あの大きな塔はなに?」とキャラに喋らせてしまえば良いのです。そうしたら、もう一人のキャラに「あれは~」と説明させればいい。
地の文だと、どうしても、~である、~だ、という調に偏ってしまいがちですが、キャラに喋らせると話し言葉を多様することが出来るので、文章リズム的にも良くなります。
*三人称小説はこんな感じかな。
個人的に、三人称小説は色々バリエーションがあると思います。視点も、第三者ではなく、キャラにスポットを当てる書き方もありますし。
また、私は世界観に重きを置くので、説明文を重視していますが、人それぞれですしね。
色々な方の小説を読むことを勧めます。
指摘、疑問点などあればお気軽に。