【Cantarella】
灰のベールを被った私 純白のベールを被った私
おかしいわ
どっちも私のはずなのに ガラスの靴がはけないの
継ぎ接ぎだらけの服 仕立てたばかりの服
あら不思議
同じ服のはずなのに 私の身体に合わないの
靴がはけないのなら 踵をけずってごらんなさい
服が合わないのなら 腕を落としてごらんなさい
嗚呼誰かの声が聞こえるわ
嗚呼あなたの声だけが聞こえない
鐘の音で魔法は溶けてしまったの
落とした靴もかぼちゃの馬車も
私の涙で溶けていった
だってだってあの人たちが悪いのよ
私のしあわせ奪うから
でもねでもね私だって悪いのよ
嘘つきな心は抉り出してしまわなきゃ
あなたの声が聞こえるわ
魔女は死んだ
愛しいCantarella 君はどこだい
ガラスの靴が悲しげに 緋色の涙を溜めていた