【眠り姫】
指先つたう ピリリと刺激
一滴の液体が ポタリ ポタリと落ちていく
麻糸しみた ジュワリと感覚
巻かれた糸は キシリ キシリと啼いている
きっと 目が覚めたら動けない
眠り続けた私の身体が裂ける
刻まれた痕 暗闇の中 痛みだけが支配した
心に刺さった棘は まだ抜けない
糸巻きに一筋の血を垂らして
君にしか見つけられない 呪いを受けましょう
美しい薔薇の花は棘に守られて
百年 眠り続けたの
首元さがす チクリと痛み
今日もまた ポタリ ポタリと流れてく
足元たまる バシャリと水音
溜まった水が キシリ キシリと割れていた
きっと 目が覚めたら大人なの
眠り続ける私の心だけが起きる
広げられた傷 痛みの先 快楽に溺れだす
身体に巻き付く荊棘は まだ解けない
糸巻きに一筋の血を垂らして
君が見つけてくれるまで 眠りにつきましょう
雁字搦めに囚われた薔薇の花は
百年 拒み続けたの
唇に触れる 他人の熱と肌
まだ 痛みに溺れていたい
君も一緒に眠りましょう 次の百年が過ぎるまで