えーっと、今からぷよの短編を書いていきたいと思います。
ぷよ7のストーリーの中で、気になったことがあったので、それをネタにして書いてみました。若干クルアミ感ありますが、見逃してくださいな。
【クルークの将来】(1)
ある日、僕が日直で学級日誌を書いていると、同じくその日の日直のアミティが話しかけてきた。
「ねぇクルーク」
「なんだいアミティ?」
「クルークって大人になったら、どんな感じなのかなぁ・・・」
僕はアミティにいきなりそんなことを聞かれて、少し驚いた。そういえば、自分でも大人になったらどうなるのか知らなかった気がする。
「さぁ・・・。それにしても、キミこそどうしてそんなことを聞くんだい?」
「えっ・・・?だって・・・、この前りんご達の世界に飛ばされたとき、駅前でクルークとりんごがぷよ勝負してたでしょ?その時、りんごは大きくなったのに、クルークは大きくならなかったから、ちょっと気になって・・・」
アミティの言葉に、僕は納得した。あの時、りんごという子のほうは成長していたが、僕は成長しなかった。幼い姿にはなるものの、大人の姿になることは、何故か僕だけができなかった。レムレスやラフィーナ、シグまでもが大人になることができたのに、なぜ僕だけ出来なかったのか。僕はあの時、ひどい恐怖に襲われた。自分は死んでしまうのか、また身体を奪われ、魂を封印されてしまうのかと・・・。
「そうか・・・。そういえばそんなことも・・・あった・・・ね」
瞼の裏が熱くなる。だんだんと目から涙が溢れてきた。泣く姿なんて、情けないから見せたくないのに・・・。
「クルーク、どうしたの・・・?泣いてるの・・・?」
アミティの言葉で、僕の目からは更に涙が溢れていく。僕はあの時の死への恐怖を思い出し、身体が震えてきた。
「そうだ・・・僕は・・・大人になる前に死ぬんだ・・・きっとそうだ・・・」
「クルーク・・・」
ぷよぷよ短編、続きかきます。
前回はクルーク目線でしたが、今回はアミティ目線で書きます。
【クルークの将来】(2)
「クルーク・・・」
クルークは泣いていた。あたしはそれを見て、胸の奥が苦しくなった。何だか悲しくなる。いつのまにか、あたしも涙を流していた。
あの時、あたしは見ていた。クルークの姿を・・・。クルークは成長しないで、遺跡に居た時の変なクルークになっていた。でもあれはクルークじゃない。あたしがいつも見ているクルークは、ちょっと嫌味で、こげ茶色の髪でで、あたしと同じ緑色の目をしてる。おまけにぷよも強くて、夢は大魔導師だって、いつもあたしに夢を話してくれた。
「僕は・・・っ、死ぬんだ・・・!大人になれずに・・・!!アミティも見ていただろう!?僕は・・・大魔導師なんかにはなれない・・・っ!!」
「そんなことないよっ!!」
あたしは思わず叫んでいた。
クルークが驚いてこっちを振り返った。
「クルークはっ・・・いつもあたしに話してたじゃん!いっつもいっつも自信満々で、いつかは大魔導師になるんだって!そんなにすぐ夢を諦めるような人じゃなかった!」
「アミティ・・・」
「あたしはそんなクルークが大好きだった!なのに・・・っ!何でそんなこと言うの?そんなのクルークじゃない!!約束したじゃん・・・、夢を諦めないって・・・。あたしも・・・ステキな魔導師目指して頑張るからって・・・!」
あたしは泣きながら叫んだ。叫びすぎて声が嗄れてしまった。それでも、クルークにあたしの思いを伝えたかった。
「アミティ・・・ごめん・・・」
クルークがあたしに謝ってきた。あたしはそのまま力が抜けて、教室の床に崩れ落ちるように座り込んだ。
「僕は・・・死ぬのが怖かったんだ・・・。約束したのに・・・夢を叶えられずに死んでしまうんじゃないのかって・・・。シグと虫を捕まえたり、ラフィーナやフェーリと喧嘩したり、レムレスにいろいろ教えてもらったり・・・、そういうことを思い出すと、本当に怖くなったんだ」
あたしは頷きながら、クルークの話を聞いていた。
「何だか君には、いろいろ助けられてばかりだな」
「そんなことないよ」
クルークがあたしに手を差し出し、あたしはその手を握って立ち上がった。
「ありがとう、アミティ。僕も君と一緒に居れて嬉しいよ」
「あたしも、クルークと友達でホントに良かった!」
いつのまにか、窓の外には夕暮れの綺麗なオレンジ色が広がっていた。あたしはふと、校門で待たせていたシグやリデルたちのことを思い出した。
「さて・・・。みんなを待たせているし、そろそろ帰ろうか」
「うんっ!!」
「二人とも、遅いですわ!全く、何をしてらっしゃったの?」
「何してたの?空、暗くなってる。早く帰ろ」
「えへへ、ごめーん。ちょっといろいろあったんだ」
「え?何があったんですか?」
「それはねー、ヒミツ!!」
あれから10年。
あたしはその頃の夢の通り、ステキな魔導師になった。
いままですっごく苦労したけど、夢がかなって嬉しかった。
「おーい、アミティー!!」
後ろから名前を呼ばれて振り返ると、あたしと同じ緑色の目をした青年が、あたしに向かって手を振っていた。
あたしは彼の手の振るほうへ走って行った。
ふぅ・・・やっと完結^^;このパターン初めてだったので大変でした。
よかったら感想とかください。