Re: *Memoria* ( No.305 )*めもりあ*
嘗て遥か地の果て
今は近き空の楽園
初まりに戻る狭間に独り
貴方は失われた青さに揺蕩う
ならばわたしは
その微睡みを揺り覚まし
貴方にわたしの身を預く
輝ける剣は湧き上がる火にも似て
注がれる光輝が魔の者を退く
声に応えて 貴方は救済の剣
アオラニが使う呪文。この詠唱が認可されると、魔物にとって最も致命的な部分に巨大な一本の剣が突き刺さる。折れない外れないかわせないの完全無欠一撃必殺。ただし、最大認可状態でも一度に出てくる剣は五本だけで、大量に雑魚が出てくる場合には戦況が苦しくなる。
彼女に力を貸している名無しの上位存在は、むかしむかしお母様が彼女を身ごもった時にお父様が与えた御加護の主。神性であることは確かであるが、真名どころか偶像も不明、経歴も不明。仮の名前さえないので、詠唱にも名前の宣言は入っていない。その代わり、彼女が認識する上位存在の姿が呪文内で描写される。
彼女の認識をそのまま投影するため、顕現するのは火の如く輝ける剣のみ。しかしながら、これが何らかの理由があって神性を得た本物の剣なのか、はたまた形の定まらない精神体が呼びかけに従って剣の姿を取っているのかは分からない。
*めもりあ2
嘗て近き目覚めの声
今は遠き微睡みの宮
もう戻れない時を抱えてひとり
あなたは暗く寂しい眠りの中に
それならぼくは
その眠りに寄り添いながら
声であなたを呼び覚ます
あなたの歌は創世の救いにも似て
濯がれる汚濁とともに魔の者は流れ去る
この声に応えて ぼくらの大いなる『おかあさま』
マヒナの使う呪文。この詠唱が認可されると、どこからともなく不思議な歌が聞こえ始め、伴って魔物の身体が灰や土くれとなって音もなく崩壊していく。安らかで優しく、容赦のない滅びの歌。ちなみに、詠唱が認可されると同時にマヒナは眠りに落ち、魔物が全て斃されると眠りから覚める。
『おかあさま』はその名の通り、マヒナたち氷雪獣の大母(グレートマザー)。生まれながらに神と程近きものを数多生み出し、ちっぽけな生物の枠を超えて神性を獲得した獣。役目を終え、次なる創世までの間休息を取る『おかあさま』は、しかしその子等が助け求めるならば母として力を奮う。
『おかあさま』自体は顕現しない。しかしマヒナは『おかあさま』の姿を知っている。
***
二人が持つ最高峰の呪文。
尚、「ファイヤーボール」とか「エターナルフォースブリザード」みたいな、“呪文を唱えた結果”につく名前は、この二人は付けていません。呪文の時点ですでに他と高度な差別化が図られているため、結果にわざわざレッテルを張ってカウントアップする必要がないからです。
逆に言えば、呪文を短く切り詰め、結果に名前を付けてリストアップする形態の魔法も存在するわけで。
*一例。
今は鈍き泥濘の空
貴方は閉じた雲の間にただ流浪す
わたしは汝の端緒を掴んで覚まし
あなたの叫びは魔の者の骨肉を焼き砕く
声に答えて 『虹の蛇』
その名は“轟雷の一閃(エカ・ウア・ヘキリ)”
ちょ、ちょっと短くなったやん?(震)
より短く詰められる方が当然呪文使いとしての能力は高いことになるものの、二人が呪文に編む神性はどれもこれも神性の中でも更に上位のものばかりであるため、リスク回避のために呪文切り詰めはあまりしない。