DSの画面に向かって異議あり、を唱えすぎて呼気や唾液のせいで3DS本体が壊れる……そんなことがよくありました(嘘です
そんなこんなで大逆転裁判及び大逆転裁判2の感想です。
まずは大逆転裁判無印のほうから。本編逆転裁判シリーズの過去。「文明開化の足音が聞こえてくるような、異様な活気にあふれた時代」、成歩堂龍一の先祖である成歩堂龍之介は無実の罪で裁判所の被告人席に立っていた……僕はやっていない、と小さな声で反論するも、口裏を合わせた目撃者という名目の者たちには届かない。誰も味方をしてくれない、そう感じていた時、弁護士として彼の親友が立ち上がる。亜双義一真である。
「現代の裁判ならば、被告人の味方たる弁護士を建てるのは当然だ」、弁護士もなしで始まった不当な裁判にメスを入れんと彼は唸る。彼は被告人たる成歩堂龍之介を「親友」と呼び、「孤独にあえぐものを護る立場も必要だ」と当然のように言い、彼の表現を基に検事「アウチ」を追い込んでいく。そして激しい討論の末、警察の怠慢、真の犯人の策略が暴かれ、ついに無罪判決を勝ち取る。
そして、成歩堂龍之介に彼は言う。「俺はこれからイギリスのロンドンに留学する。お前もよく知っている御琴羽寿沙都も法務助士として賛同する予定だ。お前も来ないか……いや、来てくれ」と。それは、今まで付き添ってきた信頼と、裁判の席で自分の罪に向き合い必死で戦った龍之介の才能を認めての発言。成歩堂は「俺にそんな大役は……」と、瞠目しながら言うが、「お前には才能がある。あの見事な批判の切込み、見事だった」。成歩堂は思いとどまり考える。他ならぬ親友が本気で頼んでいる、そして井戸の中から飛び出し世界を見ることのできるまたとない好機。何より「この旅路、亜双義とともにいけば変われる」そんな予感。
「分かった。俺も同行させてもらうよ。俺の限界を確かめてみたいんだ」、そう言って彼は手を前に出す。亜双義もまた「よろしく頼む」、龍之介の手を固く握る。
こんな感じの物語の導入なんですが、なんとこの次の話、イギリス行きの旅客船内で、なんと亜双義が事故で亡くなるという衝撃展開が! そして、その船には、ロンドン中を賑わす大名探偵シャーロック・ホームズがたまたま(本当は違う)乗り込んでいるという。かくて、運命の歯車は急激に速度を上げ軋みをあげ動き始める。そこにいた関係者を塵芥すら逃さぬと、何も知らず空飛ぶ阿呆(トンボ)を猛烈に絡めとる蜘蛛の糸のように。
ということで、あれこれくどくど話してたら結構文字数を使いましたね……
ストーリーとしては、色々今までの逆転シリーズを彷彿とさせるパロディなど含まれていてくすりとする場面も多かったです。一方で、前評判通り消化不良な部分は多かったです、ホームズは本当は阿保なんじゃとか。作中の犯人の大半が、倒してもあまりすっきりしないとか。消化していない伏線のオンパレード、最後の電文や、「死神の正体」「ヴォるティックス卿の目的」「ヴァスカビルについて」「亜双義は本当に?」などなど。2というか後編(回答編)があることを知っている此方としては、まぁあれなのですが、当初は避難囂々だったの分かりますね(苦笑
次にグラフィック。まぁ、逆転シリーズなのでそれほどの超絶グラではないです。ただ、キャラクタの動きなどが滑らかでモーションが一々面白かったですね。バンジークス検事とかルバートさんとか。次はBGM。相変わらず素敵でした。時代を反映してか少しバロック調を出しているところとか芸の細かさを感じました。やっぱり追及のBGMは燃える。タクシュウ節全開の文章も素敵です。ここ数シリーズ下火というか、大人しかったのもあり、ね。
さて、最後はキャラクタです。主人公の成歩堂龍之介。最初から被告人になるという衝撃展開は、逆転裁判3の第一章のパロディも感じられます。しかし被告人になるという経験、「無実の罪」を着せられる理不尽を知ることになるんですねここで。警察も万能ではないのだから、ミスもある。それなのに其方の情報を鵜呑みにして糾弾する奴らがいる。そんな人らから、被告人の尊厳を護ろうとする意志を開花させていく。そんな感じです。なんだかんだで頭が切れ、突っ込み男としての才能も開花させていくのが良いですね。
次に美琴葉さん。亜双義が亡くなっても気丈に成歩堂君をサポートするさまなどは、今までのヒロインにはない感じで。スサト投げやホームズ好きなど逆転ヒロインらしい天然さはありますが、なんか少しパンチに欠ける感じだったなと思いましたね。
ホームズに関しては、一々挟んでくる皮肉が時々苛立ちますが、決めるときは決める格好良さがありましたね。なんだかんだで大人なんだなと感じる場面もあります。アイリスちゃんは、もう10歳とは思えない成熟具合ですが、やっぱり身寄りがいない寂しさは感じられます。ホームズさんを慕ってはいますが。それは親がいない裏返しなのかなと。
ほかには揚げ物ファンの硬派なトバイアス刑事。小柄なストリートチルドレン、ジーナさんなどなど脇のキャラクタも素敵です。犯人の方々はニコちゃんやガリデブ婦人など可哀そうな人が多く……最後のルバートだって、メグンダルみたいなクズに関わらなければ……人生ってどこでどう変わるか分からないものだなと。
と、こんな感じで大逆転裁判の総評を終わります。大逆転裁判単体の点数としては、60点といったところですかね。