*八雲紫とは:『東方Project』のキャラクター。初出は『東方妖々夢』Phantasmボス。
*概要
*人物
幻想郷にて古参中の古参と言われる妖怪。基本的に胡散臭く、心が読めないため信用されない。能力は危険で禍々しくその笑顔は不吉で気味が悪い。
幻想郷の妖怪のなかでも避けられやすく、できる限り会いたくないと思われる人物。しかし本人は意外と話したがり屋であり色々と教えてくれるが、真偽のほどは確かめようがなくやはり信用し難い。冷静でもあるが、やはり人に避けられやすい。
幻想郷の境にある屋敷に住み、本人によると幻想郷の艮(うしとら、今で言う東北)の方角にあるらしい。しかし誰もその屋敷を見たことがなく、幻想郷と外の世界を隔てる境界を自由に行き来できるため、外の世界に屋敷があるのではないか・外の妖怪ではないかとも言われる。
だが幻想郷への愛情は限りなく深く、『萃夢想』のキャラテキストでは「彼女ほど幻想郷と真摯に接し、幻想郷を愛している者もいない。」とまで書かれている。『緋想天』では、はた迷惑な異変を起こした上、博麗神社と自分の家系の神社を結びつける改造を施した比那名居天子に、普段の口調が消えてしまうほどの怒りをあらわにした。
妖怪らしい妖怪なのだが人間を襲うことは少ない。 『東方求聞史記』では、少なくとも幻想郷ではその姿があまり見られないため、幻想郷の外で襲っているのではないかと推察されている。
なお、この『東方求聞史記』における「幻想郷縁起」巻末の参考文献には、八雲紫名義の著作物のタイトルが三冊分並んでいる。
*幻想郷との関わり
現行の幻想郷を創った賢者の一人と言われる。幻想郷は幻と実体の境界、博麗大結界の二つの結界により外の世界と遮断されている。
どちらも境界の妖怪である紫の提案により行われたことで、幻想郷の成り立ちと関わりがある。
また『地霊殿』では鬼を相手に、地上と地底の妖怪に関する契約を交わしたことが描かれている。
霊夢曰く、「 仕事がかぶってる 」。
幻想郷と同様に「結界の裏側」の世界である月の都とも因縁をもち、二度の月面戦争にも関わった。
紫自身は固定した幻想郷ではなく変化のある幻想郷の姿を期待している様子で、幻想郷以外の世界とのつながりも条件付きで肯定している。「 幻想入り 」ではない形での外来のタンポポの侵入と繁殖など明確に「 ルール 」外のケースを除いて、時には許容範囲内であればイレギュラーな両者のつながりであってもそれを肯定し、あるいは維持するために手を回すこともある。
例えばホフゴブリンの幻想郷への導入、都市伝説の具現化、宇佐見菫子の処置といったケースにこの一端を見ることができる。時には幻想郷の利益のために幻想郷側の性質やマンパワーを外の世界に向けて活用することもある(例えば座敷わらし)。
さらに「 幻想郷の賢者 」として「 こっち側 」の道を共に往くことのできそうな者を勧誘したりもしている。
幻想郷や幻想郷に住まう、内部の存在に対しても必要とあればその関係者や発生する異変にも関与しており、例えば本居小鈴(『鈴奈庵』)に個別に接触したり依神女苑・依神紫苑らによる完全憑依への対策を見出すべく奔走したり(『憑依華』)といった様子が見られている。先述の『萃夢想』で語られている紫の姿が表れているともいえるだろう。
紫の視線は地上の幻想郷のみにとどまらず、冥界(『妖々夢』他)、地獄などの地底世界(『地霊殿』他)、天界(『緋想天』他)、月世界(『儚月抄』他)、外の世界(『三月精』他)、夢の世界(『憑依華』)など、あらゆる方向に傾けられている。
またこれらの世界の住人達とも何らかの結びつきや因縁があることもある。先述の天子のように作中の物語を通して新しく縁が結ばれることもあれば、西行寺幽々子(『妖々夢』他)や摩多羅隠岐奈(『天空璋』)のような古くからの縁が作中で新しく語られることもあり、紫の他者関係は非常に広く、また時に深い。
幻想郷に新たに根を下ろすことを決めた人々や訪問者たちを歓迎するなど、幻想郷の代表者として振舞う一面も見ることが出来る。例えば紫は外の世界から引っ越ししてきた東風谷早苗(『非想天則』)や月から幻想郷への定住を決めた鈴仙・優曇華院・イナバ(『憑依華』)、リアルタイムで幻想郷と外の世界とを夢を介して行き来する菫子(『憑依華』)に、それぞれ幻想郷への歓迎の言葉を贈っている。
*能力
境界を操る程度の能力:『永夜抄』のテキストによると、「境界(結界)を操る事がどれだけ危険で強大な力なのかは計り知れなく、紫の様なちょっと変わった妖怪か、力の重圧に耐えられる者で無いとその力は扱えない」とされる能力。
*具体的に東方作品内で行った境界能力としては以下のものがある。
幻と実体の境界を引き、外で幻想となったものを引き込む。萃香が疎の力で広がっていたのを強制的に戻す。昼と夜の境界を弄り、夜を留める。顕界と冥界の間に境界を敷き、幽冥の結界となせる。
博麗大結界=幻想郷に危険がないように穴を開けられる。天蓋の絵の月と湖に浮かぶ幻の月の境界を弄り、月の海へ繋げられる(満月限定)
夢の世界にある人や物を強制的に現に取り出す。
上記の夢の世界への干渉にも関連して、相手側の完全憑依の境界を操作する。
このうち顕界と冥界の間の境界に関しては、『非想天則』においても修繕せず放置している。また上記以外にも、妖々夢Phを魔理沙でクリアすると、あと二つほど出来ることがあると本人が言っているのを見ることができる。
『求聞史紀』内の「幻想郷縁起」での説明によれば、これは全ての事象を根底から覆す能力であるらしい。物事の存在には境界が存在し、全てのものに境界が存在しなければ、それは一つの大きなものであることになる。即ち論理的創造と破壊の能力である。論理的に新しい存在を創造し、論理的に存在を否定する。対策も防御法も一切存在しない、神に匹敵する力とされる。
「結界」という境界、水と空気の境界である水面、天と地の境界である地平線すらも操る。「自分とそれ以外を分ける境界」を消すことで存在を保てなくさせる等、あらゆる物事に存在する境界を自在に操ることができる。
また博麗大結界の項目に関連して、上記のものほど圧倒的な能力の使用例ではないものの、とある理由から外の世界に座敷わらしを次々と連れ出したり、逆にその穴埋めとして大量のホフゴブリンを幻想郷に連れてくる(『茨歌仙』)など、その応用範囲は広い。
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*スキマ
主に移動に際して使われる能力の俗称。または能力で空間に開けた穴のことを指す。
空間の境界を操って裂け目を作ることで離れた場所同士を繋げることができ、これによって神出鬼没に移動を繰り返している。その範囲は物理的空間のみならず、絵や夢・物語の中にも及ぶという。
切れ目の両端はリボンで縛られている。中は一種の亜空間のようになっており、多数の目が見える。これは外の世界の「欲望が渦巻いている様子」と言うイメージの表れ。また道路標識などの漂流物が漂っている事もあるが、これも「外の世界の役に立たない物」としてのイメージから来るもの。
『萃夢想』や『緋想天』ではこのスキマから墓石を降らせる、標識を突き出す、電車を突撃させる等の攻撃バリエーションが見られる。
『憑依華』でも標識や電車を飛び出させているほか、卒塔婆を飛ばしたり、あるいはこの境界を介して通常なら届かない場所にある相手を手にした傘で攻撃したり、自身の上半身と下半身を分割して相手に襲い掛かったりと、能力の応用範囲には紫自身の身体もまた含まれている。
境界を介して橙とねこじゃらしで遊んだりといったお茶目な応用もある。
*頭脳、身体能力
超人的頭脳を持ち、長生きであるために知識や経験も豊富。 特に数字に極めて強く、無間の底や北斗七星が北極星を食うまでの時間を一瞬で求められる演算能力を持つ。その高い計算能力は強大な式を憑けることができる程。
『幻想郷縁起』によれば身体能力は妖怪並みだが、体術は人間と異なる動きをする。本人曰く「自分には何も効かず弱点はない」らしい。彼女の体には不可解なところが多々あり、例として、『香霖堂』にて霖之助がゲーム機を壊すため全力で振るった木槌を手で受け止めても、傷一つつかずに平然としており、その際に霖之助は『フカフカの布団を叩いたような不思議な手ごたえ』を感じている。また、『非想天則』では武術に長けた美鈴も紫からの手ごたえにおかしさを感じている。
その他にもルナチャイルドが周囲の音を消しているにも関わらず声が聞こえてくる(心に聞こえる声)など、不思議な能力を持っている。
幻想郷縁起によれば足も速いらしいが、ゲーム作品での移動速度はどちらかと言えば遅い方に設定されている。ただし、スキマを使った瞬間移動は別。
*容姿
姿は人間の少女と特に変わりはない。髪は金髪ロング。毛先をいくつか束にしてリボンで結んでいる。作品によって、瞳の色は紫や金色になっている。
設定および作中において他者(森近霖之助)が見ても「少女」と言われる姿。手は霖之助の主観で「か細い女の子の手」。
こういった人間以外の生き物は、永い命と引き換えに成長する事を放棄している。逆にいえば、成長しないから何時までも生きられるとも言う。
『憑依華』では上記右上イラスト同様の道士服風前掛けとフリルドレスによる服装であるが、袖に本作独自の黒と白から成る意匠があるなど道士服風のデザインにおいても登場する作品によってはアレンジが加わることがある。
『鈴奈庵』では浴衣姿でも登場しており、回想場面では就寝時の様子も描かれている。
*身長
東方キャラの身長の基準は10代前半の少女だという。その中で八雲紫は「身長高」に分類されている。他に「身長高」は紅美鈴、十六夜咲夜の二人がいる。なお、八雲藍は「身長やや高」。意外にも紫の方が身長が高い。
*変化する服装
「幻想郷縁起」によるとその時代時代にあった服を着ているらしい。
作品内では服装は紫にフリルのついたドレスや、八卦の萃と太極図を描いた中華風の服など。リボンの巻かれたZUN帽着用。そのほか、アイテムとして大きな日傘と扇子を持ち、ドレス時には白い手袋を着用している。
服装に加えて髪型にも様々なアレンジがあり、例えば『妖々夢』でのデザインのような長い髪をそのままおろして先をリボンで結ぶスタイルや、『萃夢想』でのデザインのようなまとめたものを後頭部にアップにするものなどの髪型が登場している。『鈴奈庵』や『憑依華』時のように、『萃夢想』デザインと同種の中華風の服と『妖々夢』デザインのような下ろした髪型といった、組み合わせのパターンも様々。
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スペルカード
東方妖々夢
スペルカード名
備考
結界「夢と現の呪」 ○
結界「動と静の均衡」 ○
結界「光と闇の網目」 ○
罔両「ストレートとカーブの夢郷」 ○
罔両「八雲紫の神隠し」 ○
罔両「禅寺に棲む妖蝶」 ○
魍魎「二重黒死蝶」 ○
式神「八雲藍」 ○
「人間と妖怪の境界」 ○
結界「生と死の境界」 ○
紫奥義「弾幕結界」 ○
東方萃夢想
壱符
スペルカード名
備考
境符「四重結界」
式神「八雲藍」
境符「二次元と三次元の境界」
弐符
スペルカード名
備考
結界「魅力的な四重結界」
式神「八雲藍+」
結界「客観結界」
東方萃夢想ストーリーモード
スペルカード名
備考
符の壱「四重結界」
符の弐「八雲卍傘」
符の参「八雲藍」
外力「無限の超高速飛行体」
幻想「第一種永久機関」
東方永夜抄
スペルカード名
備考
境符「四重結界」 自機時スペルカード
境界「永夜四重結界」 ラストスペル
「深弾幕結界 -夢幻泡影-」 ラストワード
東方文花帖
スペルカード名
ステージ
備考
境符「色と空の境界」 LEVEL EX SCENE3
境符「波と粒の境界」 LEVEL EX SCENE4
東方緋想天
デッキ
スペルカード名
cost
備考
境符「二次元と三次元の境界」 cost1
式神「橙」 cost1
空餌「中毒性のあるエサ」 cost2
境符「四重結界」 cost3
式神「八雲藍」 cost3
結界「客観結界」 cost3
幻巣「飛光虫ネスト」 cost3
結界「魅力的な四重結界」 cost4
廃線「ぶらり廃駅下車の旅」 cost5
CPU専用
スペルカード名
備考
光弾「ドップラーエフェクト」
捌器「全てを二つに別ける物」
幻巣「飛光虫ネスト」
空餌「狂躁高速飛行物体」
「八雲の巣」
東方非想天則
スペルカード名
cost
備考
境符「二次元と三次元の境界」 cost1
式神「橙」 cost1
空餌「中毒性のあるエサ」 cost2
境符「四重結界」 cost3
式神「八雲藍」 cost3
結界「客観結界」 cost3
幻巣「飛光虫ネスト」 cost3
結界「魅力的な四重結界」 cost4
魔眼「ラプラスの魔」 cost4
廃線「ぶらり廃駅下車の旅」 cost5
弾幕アマノジャク
スペルカード名
備考
「不可能弾幕結界」
「運鈍根の捕物帖」
東方憑依華
スペルカード名
cost
備考
「無人廃線車両爆弾」 1500
式神「八雲藍&橙」 1000
境界「溢れ出る漂流物」 800
*その綺麗な足をくれ!* 怪ラストワード
「憑坐の憂鬱」 CPU専用、「憑坐」には「 マスター 」のルビ
「完全憑依と夢想封印」 CPU専用、霊夢との完全憑依ペア時
「憑坐と神霊の境界」 CPU専用、それぞれ「憑坐」には「 マスター 」、「神霊」には「 スレイブ 」のルビ
一旦区切ります。
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*作中登場キャラとの関係
*博麗霊夢
『永夜抄』で幻想の結界チームを組み、『地霊殿』でもサポート妖怪として組む。
基本的に誰からも胡散臭がられる紫は、普段は霊夢くらいしかまともに相手をしてくれない。『地霊殿』において、霊夢から信用されていることがわかる。また『香霖堂』や『三月精』の様子から、霊夢が幻想郷に対し考えもなく行動を起こしたときは、叱ったり勉強やお仕置きをしたりする姿も見れる。
そもそも紫のキャラクターは霊夢に合わせて造型されており、その能力・性格もまた霊夢との対比によって製作されている。『永夜抄』体験版テキストによると、もともと『紅魔郷』『妖々夢』『永夜抄』は三部作で作ることがあらかじめ決められており、『永夜抄』では自機を人間と妖怪のチームとすることも決めて製作されていた。ただその際、突然新キャラと霊夢を自機として組ませても唐突すぎるため、『妖々夢』において前もって紫をPhantasmステージボスとして出演させたという経緯がある。
『あと紫は、霊夢と能力を被らせて、性格も浮世離れしている所を似させました。霊夢と釣り合いが取れる様にこんな形に。胡散臭いのはその為。』
紫は霊夢に修行を課して成長を促すこともあり、紫の修行を通して霊夢は本格的な神降ろしを体得している(『儚月抄』)。また苦手だったスレイブ側での完全憑依にも慣れるよう努力した(『憑依華』)。『憑依華』での霊夢の最終ペアの相手も紫である。
一方で霊夢に自らを懲らしめさせて表での事を収めつつ裏で次善の策を実行していたり(『茨歌仙』)、霊夢の性格やこれまでのパターンも理解しつつ良策を案じて密かに行動しつつ霊夢の行動を促したり(『鈴奈庵』)と、表の霊夢と裏の紫という対比関係は様々な作品を通しても垣間見られている。
*西行寺幽々子
旧知の仲であり、彼女の生前と亡霊になった経緯を知る。当然彼女の身体が西行妖に封印されている事も知っている。幽々子には生前の記憶が無いが、『儚月抄』によると亡霊となった直後の千年前に月面に共に赴いており、生前~亡霊化を通して二人の交友関係にブランクはほとんど見えない。『萃夢想』や『儚月抄』にて二人の以心伝心振りを垣間見ることができる。
*伊吹萃香
彼女ともその長さは不明だが、古くからの友人のようだ。歯に着せぬ物言いの間柄で、『緋想天』・『儚月抄』・『地霊殿』・『非想天則』を見るに事あるときは頼みごとをしたりされたりする間柄でもある。
*八雲藍
式として操っている妖獣。紫は普段は自ら動くことが少なく雑用は藍に任せている。紫は彼女に、式は命じられたことしかできないことを分かっていながら、命令された式以上のものになってほしいと思っている。『儚月抄』によると、千年前の月面戦争を知らないことから、紫との付き合いは幽々子よりも短いと推察される。
*稗田阿求
「幻想郷縁起」を通して歴代の御阿礼の子とは関わりがあるようで、九代目の阿求の元へも彼女の書いた最新の縁起の内容を改めるべく会いに行く。阿求自身とはその時が初対面。なお、阿求は紫を「紫様」「妖怪の賢者様」と呼んでいる。
"幻想郷の真実は私とともにある。記憶も真実に沿わなければならない。今回の幻想郷縁起も内容を改めさせていただくわ"
*森近霖之助
『香霖堂』にて、霊夢が大結界を緩めたせいで外の世界に投げ出されかけたところを助けられる。その縁で、定期的にストーブの燃料の提供することになる。もちろんタダではなく、月毎に対価を香霖堂から頂いいる。
他に霖之助に外の道具(水煙草)の使い方や、1000年前の月面戦争について語ったり、香霖堂から危険な外の道具が持ち出されないか監視したりしている。
*比那名居天子
先述のように『緋想天』での博麗神社を巡る経緯で天子は紫を激怒させ、天子は紫によって目論みをご破算にされる。この一件は紫にとっても天子にとっても忘れられないものとなり、その再戦の機会は『憑依華』で巡ることとなる。同作では天子は紫との再戦の機会に喜々としていた一方で、紫は当時状況がタイムリミットと霊夢の修行の具合の両面で切羽詰まっていたことも手伝って、『憑依華』作中でも多くの他者には飄々とした様子を見せることの多い紫が珍しく、天子に対しては一貫してストレートな嫌悪感を示している。『緋想天』では天子にとって新しい神社の落成式当日式典中にして群衆の目前という悪いタイミングでの出会い、『憑依華』では紫にとって異変首謀者との決戦直前という悪いタイミングでの再会となるなど、その出会い以降も二人のすれ違い・因縁は続いている。
*レミリア・スカーレット
『儚月抄』において紫はレミリアの性格を見切ったうえで月の都に対する囮の一翼として位置づけ、レミリアらが自作のロケットで月に行こうという計画について「外の世界の魔法など頼らずとも幻想郷だけですべて完結するというのに」と独白した。一方で、レミリアらには実際の月までの行程を含めた計画の過程における「苦労」を厭わず、むしろそれを「楽しもうとする余裕の心」があるとし、外の人間や藍、自分自身と比較しつつ「あの吸血鬼は私が忘れた心を持っている」としている。
なお一連の展開の後、紫は藍や幽々子らとともに紅魔館図書館のプールサイドを訪れ、レミリアらとともに宴会を楽しんでいる。
*綿月姉妹(綿月豊姫・綿月依姫)
『儚月抄』における第二次月面戦争の折には綿月姉妹は月の都のリーダーであったため、幻想郷から月の都に侵入しようとした紫とは対立関係となる。
綿月豊姫とは直接対峙することになり、その際には緊迫したやりとりを行っている。
*茨木華扇(茨華仙)
座敷わらしに纏わる一件で、紫は人里に座敷わらし(またはそれにあたる存在)を置いておく理由について人間や仙人には分からなくていいとしながらも、華扇には密かにその意味するところを教えている。
また別の機会では華扇に共に道を歩まないかと誘っておりこの際は拒絶されたものの引き続き華扇の気が変わるのを待つ様子も見せている。
*宇佐見菫子
『深秘録』以後幻想郷へとやってくるようになった菫子についても紫は感知していた様子で、来訪に伴って起こる変異についても対応策を見出していた(『茨歌仙』)。紫が先述の華扇に語ったところによれば紫は菫子の来訪を否定しておらず、むしろそれが円滑に行われるよう裏で手配をするとしている。
紫と菫子の対比は夢を見る妖怪と夢で幻想郷に来る人間の対比・状況の交錯ともいえる状態にある。タッグがウリの東方憑依華でとうとう同ゲーム内にプレイアブルキャラとして参戦である。同作中では紫は夢の世界に閉ざされた菫子をその場所から引きずり出し、当時現側で暴れていた夢側の菫子もろとも追い出そうともした。文々春新報が菫子について尋ねた際には紫は一女学生の菫子など幻想郷ではどれほどのものでもないとの趣旨の回答をした(『文果真報』)が、その実菫子の幻想郷訪問が円滑なものとなるよう状況を整えてもいる(『茨歌仙』)。
*本居小鈴
初対面は博麗神社での小鈴企画の百物語での同席。その後紫は人間の里の鈴奈庵を訪れて小鈴と個別に対話した。小鈴にとってはこの紫との再会が自らのその後を大きく変えることとなる。『鈴奈庵』主人公の小鈴と、同作最終話前後編タイトルにその名を飾る紫という対比は、『鈴奈庵』第一話からの小鈴の歩みと同作を通して小鈴が至る紫という存在といった対比、東方Projectにおける「人間と妖怪」という関係性にも通じる象徴的なものでもある。
上記のほか『東方紫香花』の「六十年ぶりに紫に香る花」では四季映姫・ヤマザナドゥとの関係が仄めかされ、また『地霊殿』ではパチュリーに相談を受けたり、アリスに人形を提供した事が描かれている。