大アルカナ——21=世界 ( No.43 )
日時: 2017/07/26 22:51
名前: ダモクレイトス ◆MGHRd/ALSk (ID: DBVr6NG.)

 えぇ、大アルカナ。タロット占いの奴ですね。21(22)という切りの良いというか、丁度いい数字もあって、敵幹部とかで使われたりもしますよねぇ☆彡
*と、にべもなく言ってみましたが、普通に格好いいし好きですこういの。
 さてはて、いつも通り、少し細かく掘り下げてみましょう。何事も深く知ることこそ、利用するにも一工夫が生まれるというものです。


*概要

 「アルカナ」とは、ラテン語でarcanum=アルカーヌムの複数形であり、「机の引き出し」の意味から、引き出しに「隠されたもの」をさし、さらに転じて「秘密」「神秘」などの意味になった。タロットを神秘的なものと見るようになった19世紀頃から使われ始めた言葉で、ゲーム用具としてのタロットでは、単に「切り札(英語: trump、フランス語: atout など)」と呼ばれる。ただし、愚者を切り札に含めるかどうかは地域差があり、フランスでは切り札とは独立したカードとしているが、オーストリアなど中央ヨーロッパでは22番目の切り札としている。


*ヘブライ文字との関係

 枚数が22枚であることから、神秘主義者らによって、ヘブライ文字22文字や、セフィロト(生命の木)の22本の経路と関連づけて解釈される事が多い。しかしヘブライ文字と22枚のカードのどれとどれを関係付けるかは複数の説がある。


*意味、解釈

 カードの順番配列にはいくつもの説がある。この表の順番配列はウェイト版タロットである。 アーサー・エドワード・ウェイトは、8番を力、11番を正義にして、旧来の順番を入れ替えたとされるが、最初にこの入れ替えをしたのはウェイトではない。
 ウェイト版タロットが有名になったため、この入れ替えはウェイト式と認識されるようになったのである。以後、英米ではそれに倣うカードが多く創作されたため、世界のタロットカードには旧来の順番に従うものとウェイト版タロットのものとの二大系列ができた。伝統的なマルセイユ版タロットは前者(旧来の順番に従うもの)に属する。
 「愚者」のカードは番号が与えられず無記のままかもしくは22番であったのを、フランスのエッティラは大アルカナ21枚と切り離し小アルカナの後ろに置いて78番とした。パピュスは愚者を21番、世界を22番とした。英国のウェイトが初めて愚者を0番としたとの説があるがこれは誤りで、正しくはアントワーヌ・クール・ド・ジェブランである。現在では愚者のカードはそのタロットによって、0番、21番、22番、無記の4種類のタロットがある(愚者を21番とする場合は世界を22番とする)。
 また8番と11番の位置の如何にかかわらず、愚者のカードの位置は、冒頭(1番の前)に配されるもの、大アルカナの最後(21番の後、小アルカナの前)に配されるもの、20番と21番の間に配されるもの、小アルカナも含めた全カードの最後に配されるもの、と4種類のデッキがある。。

 この表の「意味」の項の説明はウェイトのタロット図解に基づく。
 この表にあげた西洋占星術の星座と惑星との関連の項は、あくまで一例であり、参考としてあげたまでである。カードと占星術の関係をどうあてはめるかは18世紀のエッティラの説を最初とし、それ以降、現代に至るまで欧米日の神秘家たちによる数多くの説が存在するので、注意が必要である。



*占星術(一例)

0(22,21) 愚者(ジプシー、道化師、物質主義者)※無番号の場合アリ 夢想・愚行・極端・熱狂 星雲・地球・(天王星)
1 魔術師(異教徒、奇術師、賢者、せむし、道士、香具師) 意志・手腕・外交 水星
2 女教皇(イブ、女司祭、隠されたイシス、ジュノー) 秘密・神秘・英知 土星
3 女帝(現われたイシス、皇后、大地、ビーナス) 実り・行動・月日の長さ・未知 金星
4 皇帝(オシリス、元首、ジプシーの王、立方体の石) 統治・堅固さ・防御・同盟 火星
5 教皇(司祭長、ジプシープリンス、法王、法の審判) 信条・社会性・恵みと有徳 木星
6 恋人(エルメス、エロス、結婚、二つの道、優柔不断、愛) 魅力・愛美 双児宮
7 戦車(凱旋、勝利の王、征服者) 援軍・摂理・勝利・復讐 人馬宮
8 (11) 力(女力士、剛毅、説得、ヘラクレス、勇気) 力・勇気・寛大・名誉 獅子宮
9 隠者(賢者、反逆者、老人) 深慮・忠告を受ける・崩壊 宝瓶宮
10 運命の輪(運命の車、革命、幸運神、時代、報い、輪) 幸運・転機・向上 処女宮
11 (8) 正義(裁判の女神、主席判事、正義の女神、バランス) 平等・正しさ・正当な判決 金牛宮
12 吊された男(死刑囚、使徒、殉教者、処刑台、吊るし人) 英知・慎重・試練・直観 双魚宮
13 死神(時間、不死性、霊魂)※無記名の場合アリ 停止・損失・死と再生 天蝎宮
14 節制(グレートマザー、大天使、天界の女王、閃き) 調整・中庸・倹約・管理 巨蟹宮
15 悪魔(黒魔術師、サタン、情欲、堕天使、バフォメット) 暴力・激烈・宿命・黒魔術 天秤宮
16 塔(稲妻、神の家、神罰、バベルの塔、脆さ、落雷の塔) 悲嘆・災難・不名誉・転落 白羊宮
17 星(希望、賢人の星、シリウス、時間) 希望と吉兆・瞑想・放棄 磨羯宮
18 月(黄昏、ヘカテ、魔王、夢、霊界) 隠れた敵・幻想・欺瞞・失敗 月
19 太陽(インスピレーション、赤ん坊、永遠の青春、双子) 物質的な幸福・幸運な結婚 太陽
20 審判(怒りの日、永遠、棺桶、最後の審判、石棺、復活) 復活・位置の変化・更新 (冥王星)
21(22) 世界(宇宙、帰還、真実、大地、地球、導師、ソフィア) 完成・約束された成功・旅 黄道12宮・(海王星)


*セフィロト(生命の樹)

 旧約聖書の創世記(2章9節以降)にエデンの園の中央に植えられた木。命の木とも訳される。生命の樹の実を食べると、神に等しき永遠の命を得るとされる。カバラではセフィロトの木(英語: Sephirothic tree)という。

 ヤハウェ・エロヒム(エールの複数形、日本語では主なる神と訳されている)がアダムとエヴァをエデンの園から追放した理由は、知恵の樹の実を食べた人間が、生命の樹の実までも食べて永遠の生命を得、唯一絶対の神である自身の地位が脅かされる(ユダヤ伝承では知恵の樹の実と生命の樹の実をともに食べると、神に等しき存在になるとされているので)事を恐れたためである。

 セフィロトの樹は、神秘思想のカバラにおいてさまざまな解釈がなされ、近代以降の西洋魔術、特に黄金の夜明け団などでは生命の樹をタロットカードと結びつけての研究が行われていたことでも有名である。10個のセフィラと22個の小径(パス)を体系化した図も同じく「生命の樹」と呼ばれる。現代ではセフィロトの樹は「生命の樹」と同じと解釈される(カバラ由来の樹はセフィロトの樹が正しく生命の樹と混同すべきではない等)。

*アインとアイン・ソフとアイン・ソフ・オウル [Ain Soph Aur]

 アインは無と訳され、0で表される。アイン・ソフは無限と訳され、00で表される。
 アイン・ソフ・オウルは無限光と訳され、000で表される。アイン・ソフ・アウルと表記されることもある。アインからアイン・ソフが生じ、アイン・ソフからアイン・ソフ・オウルが生じた。

*10個のセフィラとダアト

 天頂の白丸のセフィラ(ケテル)から右下の灰色丸(コクマー)、左の黒丸(ビナー)、右下の青丸(ケセド)、左の赤丸(ゲブラー)、右下の黄丸(全体の中央でティフェレト)、右下の緑丸(ネツァク)、左の橙丸(ホド)、右下の紫丸(イェソド)を経て、いわゆる、ジグザグに進み、最終の虹色丸(マルクト)のセフィラへと至る。なお、第3から第4のセフィラの間に隠されたダアト(右図では点線丸)というセフィラがある。
 ケテル(Kether、王冠と訳される)第1のセフィラ。思考や創造を司る。数字は1、色は白、宝石はダイアモンドを象徴する。惑星は海王星を象徴し、王の横顔で表される。神名はエヘイエー。守護天使はメタトロン。同時に最後の剣として称されるマルクトと通じ合っている。
 コクマー(Chokhma、知恵と訳される)第2のセフィラ。数字は2、色は灰色、宝石はトルコ石を象徴する。惑星は天王星を象徴し、至高の父と呼ばれ、男性原理を象徴する。神名はヨッド。守護天使はラツィエル。ビナー(Binah、理解と訳される)第3のセフィラ。数字は3、色は黒、宝石は真珠、金属は鉛、惑星は土星を象徴する。至高の母と呼ばれ、女性原理を象徴する。成熟した女性で表される。神名はエロヒム。守護天使はザフキエル。
 ケセド(Chesed、慈悲と訳される)第4のセフィラ。ケセドはゲドゥラーとも呼ばれる。数字は4、色は青、金属は錫、図形は正四面体、宝石はサファイア、惑星は木星を象徴する。王座に座った王で表される。神名はエル。守護天使はザドキエル。ゲブラー(Geburah、峻厳と訳される)第5のセフィラ。数字は5、色は赤、図形は五角形、金属は鉄、宝石はルビー、惑星は火星を象徴する。天空の外科医と呼ばれることもある。
 神名はエロヒム・ギボール。守護天使はカマエル。ティファレト(Tiphereth、美と訳される)第6のセフィラ。生命の樹の中心に位置している。数字は6、色は黄、金属は金、惑星は太陽(太陽も惑星と見なす)を象徴する。神名はエロハ。守護天使はミカエル。ネツァク(Netzach、勝利と訳される)第7のセフィラ。数字は7、色は緑、金属は銅、宝石はエメラルド、惑星は金星を象徴する。全裸の女性で表される。神名はアドナイ・ツァバオト。守護天使はハニエル。ホド(Hod、栄光と訳される)第8のセフィラ。数字は8、色は橙色、金属は水銀、惑星は水星を象徴する。神名はエロヒム・ツァバオト。守護天使はラファエル。イェソド(Yesode、基礎と訳される)第9のセフィラ。アストラル界を表す。数字は9、色は紫、金属は銀、惑星は月(月も惑星と見なす)を象徴する。裸の男性で表される。
 神名はシャダイ・エル・カイ。守護天使はガブリエル。マルクト(Malkuth、王国と訳される)第10のセフィラ。物質的世界を表す。数字は10、色はレモン色・オリーブ色・小豆色・黒の四色、宝石は水晶、惑星は地球を象徴する。王座に座った若い女性で表される。神名はアドナイ・メレク。守護天使はサンダルフォンとされるが、シェキナ(メタトロンと対をなす神の女性的顕現)であるとする意見もある。ダアト(Daath、知識と訳される)隠れたセフィラ。ダートと表記されることもある。数字は00/11 、色は銀, 惑星は天王星を象徴し、知識と訳される。他のセフィラとは次元が異なる。ダアトは生命の樹の深淵の上に存在する。他のセフィラの完全体・共有体という説もある。隠された意味は悟り、気づき、神が普遍的な物に隠し賢い者は試練として見つけようとした「神の真意」という意味である。神名はアドナイ・エロヒム。守護天使は ウリエル。



*セフィロト(樹形図)的な思考が好きです。一つのことを深く探ろうとすると、また知らない言葉がどんどん出てきて、それも調べようとするような感じ。正直、これを書き込んでいる自分ですが、カタカナ言葉の部分、神様の名前とか、実際半分も知りませんからね……(苦笑