g「力」関連
1 人間の力には「魔力」「体力」「生命力」の三つがある。わかりやすくたとえてみよう。
ここに一つの器があるとする。その真ん中には仕切りがあり、左右それぞれ別の液体が満たされているとする。このうちの片方が「魔力」、もう片方が「体力」、器そのものが「生命力」である。
この中で「魔力」が減って(使われて)も、仕切りがあるため「体力」は減らない。その逆もしかり。ただし、人によって「魔力」と「体力」の配分は異なる。つまり、仕切りが偏っていることがある。
しかし、「生命力」、つまり器そのものが削れたり欠けたりすれば、「魔力」も「体力」も、満たすことのできる絶対量が必然的に減る。いくら「液体」があろうとも、「器」が小さければあふれるばかりで、全てを収めることはできないのだから。
「生命力」すなわち「生きる力」である。だから、これがなくなれば人は死ぬ。「死」はいわば、「器が砕ける」ことである。
2 「ヒトの身に余る力」を生まれながらに持つ者たちがいる。彼らの場合、「器」から溢れそうになった「力」が、すさまじい表面張力でかろうじて溢れずにいる、というような状況に近い。そういった人の場合、ほとんどは、「器」に満たされているのは強酸性の液体で、多大なる力を約束する代わりに、「器」そのものをも溶かしていく。つまり、長生きできない。