(投稿させていただきます!)
「問おう、君の勇気を」
学校の屋上、柵を越えた先、後数歩踏み出せば空へと落ちる場所。
そこに1人の少女が立って居た。
長く無造作な髪の毛、腕に見える傷、夏に不似合いなカーディガン。
誰もが分かる。彼女は自殺しようとしている。目線の先は森。
彼女は一歩踏み出し、次の一歩を空中にだ──
せなかった。
彼女の後ろにある柵、のところに立つ少年、彼が彼女を引き止めた。
「勝手に死ぬな、先に、先に俺に死なせてくれよ」
「あなたには、死ぬ勇気があると?」
「は?なけりゃこんなとこには来ないだろ?」
「死ぬのが怖い、だから私を止めた」
「違う?」
「それは……」
「最後に問おう、君の勇気を」
彼女はそう言ってかすかに笑い、森へと落ちた。
鈍い音がした。
それを見た少年は思った。
俺には、理由がないんじゃないだろうか。
自殺する理由が。
だから、勇気がないんじゃないか。
君の、いうとうりだったんじゃないだろうか。
死んだであろう君の問いに、せめて、答えなければいけないのではないのだろうか。
彼は柵を越え、言った。
「きっと、どこかにある。」
森に向かってなんぼか踏み出し、落ちた。
鈍い音がした。
♢ ♢ ♢
「みー、これ、うまくできたと思うんだけど、どう?」
「ああ、短編のお話だっけ、いいと思うよ。私は好き」
「やった!じゃあサイトに投稿、しよう、かな?」
「では、問おう、君の勇気を」
「ふっ」
『ははははは!』
「いや、何真似してんだし」
「え、面白くない?」