Re: 【第5回】絢爛を添へて、【小説練習】 ( No.161 )
日時: 2018/04/15 12:04
名前: さっちゃん (ID: sxer4YYk)

「フビライハンとエビフライの違いを教えてくれ」
「美味しい、美味しくない。魚類か哺乳類か。共通点もあるよ、赤っぽいし、揚げる前のエビとフビライハンのヒゲは黒いし!」
「はあ」
どこから引っ張ってきたんだ、それは。意味のわからない理論を広げる君に、心の中で質問を飛ばす。
「主観だ、です!」
「勝手に読むなよ、心を!」
「ごめんにゃさーい!勝手に聞こえてきちゃったの!なんかのバグかなあ?とりあえずどうなってるのか調べるね」
快活な彼女はすうっと目を閉じ、それはなんていうか、神秘的で奇妙で、彼女以外いらない気がした。そして機械が喋る。『スリープモードにはいります』
エビフライを見るたびフビライハンとエビフライは似てると言った、誰かの言葉を思い出すのだ。誰かの言葉は何故か同意され、その日の歴史の授業以降、フビライハンの肖像画にエビフライを描きたすが流行った。なんで?おかしいだろ!笹原さんが、そう、あの言葉は人気者の笹原さんが言った言葉だったけど、それにしたって、なんでエビフライなんだ。当時からテレビニュースになっていた宇宙人が、頭まで侵攻した。あの、円盤からくる光線が、みんなをおかしくしたんだ。訳の分からないギャグであろうなにかをまともに受け入れる空間なんかなかったのに。怖くなった。笹原さんは宇宙人によって改造された。謙虚で可愛くなんかない、人を操る裏切り者だ!僕が人型アイフォンを買うのも時間の問題だった。
ぐさり。ざく。銀色に光るフォークをエビフライに突き刺して、一口かじる。エビフライはずっと好きだった。ファミレスは偉大である。
『起動します』
「なんかね前回のアップデートの時に仕様が変わったみたい!」
「そうなんだ。まあとりあえずオフにしといてよ、アップルが地球を征服しそうで怖いし」
エビフライをまた齧る。フビライハンを齧っても、多分なんの味もしないだろう。強いて言うなら、塩っぽいのかも。汗臭そうだし。

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『エイリアンまたはインベーダーによる思考破壊』

このままだとアップルが地球征服しそうです。かくいう私もiPhoneユーザーですが。さっちゃんでした。