笹の葉から垂れ下がる細長い紙面を見て、私は思う。
気持ち悪いと。
何故、こんな気持ち悪いものを見なければならないのか?幾ら授業でも、見たいもの、見たくないものの取捨選択は必要だろう?蓮コラでしたっけ?それに近い感じを私……いや、僕は覚えた。覚えたのではなく、感じた、か。
「おら、さっさと描けカス」
そう言って、金髪碧眼、白いYシャツのボタンの隙間から見える巨乳、スカートなのに胡坐をかいて、スカートの中のパンツを見せる、猥褻教師。
僕は「はぁ」と、溜息を吐いて、頭をかきながら、猥褻教師に言う。
「僕が居るってだけで、そんな格好すんな猥褻教師」
「猥褻の何が悪い」
「一刀両断かよ」
「零刀両断だよ、てめの発言に意味なんかねぇ。口答えするな変人」
「変人は貴様だ、猥褻教師」
「私は猥褻教師では無い。セクハラ教師だ!」
「うん!色々アウト!」
自分は猥褻教師にツッコミをいれ、静かに溜息を吐いて、右手に持った筆を目の前のキャンバスに押し付けた。何故こんな事をしなければならないのだろうか?答えは簡単である、「美術の提出を忘れたから」である。
今は七月八日、七夕はとうに過ぎており、本当は目の前にある短冊、笹は燃やさなければならない、だが、僕の提出忘れに仕方なく一日伸ばしたのだ。
昨日は絵を描き終わらせたかったが、親から入院している知り合い、否、叔父の危篤状態のため、仕方なく午後の美術を休んで、病院に向かったのだ。
まぁ、結果は叔父は死んだ、心臓ガンで。
…まぁ、「実際の事を言うなら、心臓ガンは存在しないのだが、叔父の肉体は一般の人間とは少し構造が違うので、有り得ない病気が出来る」という特殊人間なので、二十年前は膵臓ガンとかも出来たりした。
まぁ、膵臓にもガンは出来にくいんだけど。
そんなこんなで、死んだ叔父の葬式もしようと思ったのだが、「明日美術の授業に来い、居残りで良いから。来なかったら殺す」と、脅されたので、仕方なく翌日の今日、学校へ行く事に。
んで、今、その七夕の笹、短冊をキャンバスに描いて、絵を完成させようと、自分は筆で絵に色をつけているのだ。
「…はぁ、面倒だ」
「面倒なのは私の台詞だ、貴様が昨日休まなかったら、私は今日、合コンが出来たんだ!若い男の精が吸いたい!」
「…呆れた、自分の私利私欲の為に、男性の精を吸わないで下さい」
「煩い!お前には分からんよ!私のこの吸引したい欲は!」
猥褻教師はそう言って、立ち上がって、自分を指差して、怒鳴る。怒鳴っても、何も解決しないけど。
「…はぁ、アンタ、本当に壊れているな?色々な意味で?」
「んぁっ?壊れている?今更なのか?私はもう「何千年も前から壊れている」よ」
「…知ってる、テンコさん?」
「はっ、私の「本名」を言うな、下種(げす)が?」
「本名を言って、怒られるって、どんな凶悪社会だよ」
「それが私達の社会だ」
「あぁ、そうかい」
自分はそう言って、右手の筆を置いて、背を伸ばす。
「完成したか?よし、じゃあ、全裸ストリップをしてやる、私の全裸ストリップを見たら、今晩は寝られないぜ?」
「お婆さんの体で吐き気がして?」
「…お前、私に喧嘩売ってる?今の姿を見てみろ、お前等男の好きな巨乳!パンチラで嬉しいだろうがぁ!?」
「僕は嬉しくないよ?だって、僕は…」
僕はそう言って、上半身の服をはいだ、すると、猥褻教師は驚く。それもその筈、「僕の胸にサラシが巻かれている」からだ。
「「僕は男じゃない」、だから、アンタにゃ興奮しない、嬉しくない」
「なっ…!?」
驚愕する猥褻教師に、僕はキャンバスを投げて、発言する。
「乾かしたら完成ですよ」
自分はそう言って、服を着て、鞄を持って、「そのまま教室を出た」、流石に後始末はあの猥褻教師がやってくれるだろう、何故なら「テンコ」だからだ。僕はそう思いながら、溜息を吐いて、玄関に到着、靴を履き替え、校庭を出る。
「…今日も面倒な一日だった」
自分はそう呟いて、振り返って、屋上を見る、屋上は「火車やがしゃ髑髏が浮いている」、今日も居残り以外は何もない日だった、そう思いながら、僕は校門を潜り、学校を出る。
此処は「妖怪が集まる」妖怪学校だ、そんな中、平凡で、普遍で、普通な学生である僕は通っている。何も無い日常だけど、僕は喜んで、学校に通っている、何故なら、妖怪という楽しい存在と共に過ごす事が出来るからだ、僕はそう思いながら、「熱いなぁ?」と、思った。
自分が歩く道は火に包まれていて、熱い。自分は妖怪「雪女」とのハーフなので、こんなに熱いと溶けてしまう。さっさと帰ろう、そう思いながら、自分は走って、自身の家へと向かった…
初めまして、お久し振りの方は御久し振りです。
「五人②」です。
前回の投稿より、約千字増えました。
一応言いますが、自分は小説を書くのは初心者です、更にパソコンを触るのも初心者です、前回はひぃこらひぃこらいいながら書いたんですよ、ですが、前回より少し増えました。
今回は相当頑張ったんですよ。執筆するのに、二週間は掛かってしまった。
なので、今回のプロットを書いた「五人⑤」が悪い。
それでは、次回参加するか分かりませんが、次回参加した場合、宜しく御願いします。
「五人②」