もしも、私に明日が来ないとすれば...最高じゃないか!!
私はこの世界の果てに存在するという、伝説の花について書かれている歴史書を宿の本棚の片隅で見つけた。内容はこうだ。
「世界の果て七色に輝き世界照らす神の加護受くる花あり それ求め幾多の冒険者旅立つも辿り着くものはおろか帰る者すらなし 亡き者の多く互いに殺しあいこの世去る 残りの者道中魔物に襲われこの世去る 但しこの先辿り着くものありとて花を手に入れること禁ず 神の力人力遥かに超え得た者不老不死の人ならざる者と化す」
不老不死その魅力に私は引き付けられた。手にするのを禁じると書かれているが不老不死の何処にそんな問題が有るのか分からなかった。当時の私は数百年に一度の大魔導士と崇められていた。自分で言うのも何だがその呼び名に恥じぬ実力を持っていたと思う。過去の冒険者が誰一人辿り着けなかった場所でも自分なら辿り着ける。そう思った。
その後私は旅立った。旅の途中で3人の仲間を手に入れた。最初は、息が合わないこともあった。しかし、死の危険すらある修羅場を幾度も潜り抜ける内に私達を結ぶものは、切りようの無いほどに太く強固なものとなっていた。そして遂に辿り着いた。この世の物とは思えない程強く美しい輝きを放つそれは見る者を圧倒した。但し重大な問題が一つ。咲いているのはたった一輪のみだった。次の瞬間後ろから強い殺気を感じたのだった。
私は、結局不老不死の力を手に入れた。人としての大事な何かを捨てて。それからは地獄だった。罪悪感に押し潰されそうになる日々を只ひたすらにこなす。終わりなど一生来ない。
「誰か私を殺してくれ」