【消さなくても良いとのことでしたが、念のため再投稿です。以後気をつけます。】
彼女はいつもと変わらない、甘い匂いをまとっていた。
私はこの鬱陶しい百合の香りが大嫌いだ。
悪魔のくせに天使を偽っている彼女の香りが。
彼女が横を通るたびに私は鬱陶しそうな顔をする。すると、
「シクラ!今から仕事なのよ。速く行きましょう!」
彼女は仕事……暗殺を頼まれるたびにハイテンションになり殺しを楽しむ。
私は仕事として必要最低限、一撃で終わらせるのが殺し方なのだが彼女は
天使のように誘い込み少しずつ少しずついたぶっていく、暗殺者とは思えないような殺し方をするのだ。この、甘ったるい百合の香りに乗せて。
「ユリー、今度こそはさっさと終わらせないとアレあげないから」
ちなみにアレ、とは人をいたぶっていくのがだーい好きな彼女の大好きなものだ。彼女いわく
『これがないとマジで行きてけないのよ。シクラ大好きよ!』
らしいのだ。ちなみに最後のはなかったことにしておいて、
そのアレ、とはその名も
『百合漫画』
だ。私もかるーいやつとかは結構好きだし持っているけれどあいつは……
R18やらギリギリものやらエロ百合が好きなのだ。あんな清純そうな顔して色々と悪魔みたいなんだから。
だから私は。
百合の香りが大嫌いだ。
でも、
「もー、私たちはコイビトでしょ?」
なんていう、彼女のことが私は大好きだ。
「何いってるの?先行くよー」
ま、喋り方が金持ちっぽくていいとこのお嬢様っぽいのは気に食わないけどね。
「速く言ってください(−_−#)」
「アクマ!わかったわよー。百合好きちゃん!」
いや、こいつ誰だし。
♦︎ ♦︎ ♦︎
「百合、これは一体どういうことだ?」
彼女は紙の束を机に叩きつけ顔を赤くして問う。
「あら、志倉様!読んでくださったのですね。意味は……分かるでしょう?
それに、気軽に乃花と呼んでくださっていいのですよ?」
「絶対よばねぇ。いくら私が百合好きだからって……後、私のこと面って呼ぶんじゃねーぞ」
「わかりましたわ。面様!」
さらに顔を赤くして彼女は言う。
「お前のことなんか好きになってやんねーからな!このドエロ!」
「……ドエロじゃなくってドMですかね」ボソッ
「お前誰?だ」
「あなた誰ですか?」
「開真百(あくまゆ)合好木(りすき)です。」
「あー!忘れててすいません!このアクマって言う百合好きの子の元です」
これはこの3名が百合を展開するお話である。