*最近書きたかったところを投稿できたので。
大切に、何よりも大切に思っていた存在がいたはずでした。それが永久に生きていてくれれば、僕らの幸せもまた永久になると考えたのです。
ヴィクターの名前の由来はフランケンシュタイン。ジンや桜色少女というバケモノを生み出した、罪深き研究員です。
彼の罪は、家族を愛しすぎてしまったこと。永遠を願ったこと。寂しさに勝てなかったこと。孤独を恐れたこと。そして、それを打開する術を思い付き、あろうことか行動に移してしまったこと。沢山あるでしょう。
主人公ジンの視点においては、この物語の悪者はヴィクターになります。ですが、彼が本当にただの悪い人間だったとは私は思いません。そしてきっと、ジンもそのことを知っています。
継ぎ接ぎバーコードは、愛と呪いの物語です。生きたいとか、殺したくないとか、愛されたい。そんな願いが、全て叶わないお話です。許されない罪を背負った彼らの贖罪のお話です。
本当の罪とは何なのでしょう。
どうして彼らはすれ違ってしまったのでしょう。
なぜこんな結果になったのでしょう……。
ただ言えるのは、途方もなく悲しいって気持ちですね。世の中、どうしようもないことばかりで、打ちひしがれるような思いです。運命に翻弄されて、何も見えない。
愛しているのに殺さなければ気がすまない、そんな矛盾が小さな体の中で起こったら、そのまま二つが別々の方向に弾けて、引き裂けてしまいそうです。だからジンはナイフを取るしかなかった。
継ぎ接ぎバーコードは悲しいお話だな、と思います。
愛することが、罪になるのだとしたら、彼らは何をもってヒトと接すればよかったのでしょうね。
これでも私はジンのこと大切に思っているので、いつの日か彼が幸せに笑える日が来ればいいと思っています。