>>690の続き
ベヘシュテ・ザフラー共同墓地……別名をザフラの楽園。ムハンマドの娘の名前から取っているらしい。イラン国内で最大の墓地。あらゆる功績を残した者の墓が多数あるが、その中でも一番多いのが戦争の犠牲者。
コロナのせいで一日単位でやって来る遺体の数が半端ないらしい。
テヘラン・メトロ……テヘランでも有名且つかなり便利な交通網……らしい(記憶が曖昧)。七路線と日本の新宿と比べると「!?」となるが、そんなものなのだろう。距離関係なく千百リヤルで乗れる。日本円で十五円ほど。安すぎる
おばあちゃんの反応……「(墓場を知らないとか)アンタ頭おかしいんじゃないかね?」は、一般的なイラン人がおよそ三十年前の戦争を経験した事により平和を尊ぶ=頻繁に墓場に通うはずだという事を暗に示した表現。やや大袈裟とはいえ、イラン人は日本人と同等、もしくはそれ以上に平和を大事にしている民族です。
「外国人かぃ? パキスタン? シリア?」……パキスタン人は主に移民や出稼ぎとして、シリア人は難民としての表現。テヘランにも居るみたいです。
回想における"ややこしい事があった"……王政から一転、革命を迎えたイランは男子に兵役義務が課せられました。男子は15歳から18歳までの中等教育(日本で言う高校)を卒業したのち、大学受験をするか兵役に就くかの二択を迫られます。要するにイラン人男性は早くて18から軍に入ることになります。主人公のパルヴィーズは1960年生まれ。戦争の始まった1980年では20歳なのですが、このややこしい事のせいで終戦間近の1987年に戦争に参加する事になりました。現段階で明言されていないので軽くネタバレなのですが、戸籍が関わっています。
イラン・イラク戦争……1980年から1988年まで続いた国家間の戦争。作中にある通り諸々の理由から始められました。アメリカ含む多くの国から援助を受けたイラクが優勢かと思えたが……?
バスラ……イラクの都市名。戦争においては重要拠点のひとつ。イランは何度かここを狙い、失敗して来ました。
カルバラー四……戦争における作戦のひとつ。ボロ負け。
1367年5月29日……イラン暦における1988年8月20日。この年に戦争が終結しました。戦術的にはイラク優勢、結果的にはイラン勝利寄りの引き分け(国境問題は戦前に回帰=イラク有利な線は引かれず。政権も維持されたため)となりました。イラクはこの戦争によって多額の借金を抱え、湾岸戦争を経たのちにイラク戦争へと突き進みフセインは倒れることとなります。
タイトルの意味……何も適当に付けた訳ではありません。その意味は多分最後に明かされる……かも。
随時追記予定