おはようございます。書いてみました。
五点、六点、七点、と、試合は進んでいく。鏡花も直角も、時間の経過とともに、徐々に羽根突きに慣れてきた。それによって、二人の対決はますます激しいものへと変化していく。どちらかが十点目を取るまで終わらない熾烈な戦いだ。
「はいっ」
「ふふ」
「ほいっ」
「あら、弱いわね」
「……ほいっ」
直角は確実に打ち返す。
鏡花は時折挑発的なことを言う。
「ふふっ」
「はいっ」
「うふ」
「……せいっ!!」
「あらー。決められてしまったわー」
直角が六点目。
これで今は、鏡花が八点、直角が六点だ。
どちらかといえば鏡花が優勢に見える。が、まだ二点差だ。勝敗がどうなるかは分からない、微妙な点差である。
「あたくしから点を取るとは、案外やるわね」
「負けません」
それからも、鏡花と直角の羽根突きは続いた。
二人の激しい戦いは長引く。
慣れてきたというのもあってかどちらも落とさず、打ち合いがなかなか終わらないのだ。それにより、どちらかが一点取るだけでも膨大な時間がかかる。
——だが、ついに決着の時が来た。
「うふふっ!」
「あっ……」
決まった。
鏡花の十点目が。
「はい。これは試合終了ですね」
十点目が決まった瞬間、丹花が述べる。
彼女は、鏡花と直角の対決を、きちんと見守っていた。
「では結果発表を。一試合目、教 鏡花の勝利です!」
丹花の宣言に、敗者となった直角は眉尻を下げる。肩を落とし、背を丸め、身を縮めた。その様は、まるで、寒さに震える小動物のよう。
かなり落ち込んでいるようだ。
一方、勝者となった鏡花はというと、喜びを露わにしてはいなかった。それが、敗者直角への気遣いだったのか否かは、謎である。ただ、彼女が「当然」というように澄ましていたことは確かだ。
「では早速、次の試合へ参りましょうか」
丹花は柔らかく微笑みつつ話を進めていく。
「二試合目はダブルスです。どなたが出ます?」
その問いに手を挙げたのは、花園と蜂窩の二人。
「はなな頑張るぅーんっ」
「自分のことを『はなな』とか呼ぶ頭の弱い女には任せられないからなー。アタイも一緒に参加してやる」
蜂窩の失礼な発言には、第三者である丹花も苦笑していた。
「桃井 花園、芳澤 蜂窩、ですね」
苦笑しつつ言う丹花。
その言葉に、花園と蜂窩は頷く。
「では、対戦相手を紹介します」