こんばんは。書いてみました。
その後は、花園蜂窩ペアと清起との戦いになった。
ちなみに、清起の相棒である聯轟は点を取られて以降、絶望のあまり何もできず。両手両足を床についた体勢のまま、びくともしなくなっていた。羽根突きに参加するしない以前の問題で、生きているのかさえ分からないような状態になっていたのである。
「勝たせてもらう」
しかし清起は、聯轟が何もしなくなったことなどまったく気にしておらず、淡々と勝ちを狙いにいく。
「一対二で勝てると思うなよ!」
「はなな頑張るぅん!」
数では優位に立った3年1組。
しかし、相手が悪かった。
「せい!」
「ふっ」
「とりゃ!」
「ふっ」
蜂窩は、右へ左へ、翻弄するように打ち続ける。
しかし、シャトルのような物は、必ず清起の方へと飛んでいく。
「はななっ!?」
その様子を見ていた花園は、両手を顎の前辺りに揃え、わざとらしく驚いた動作をする。恐らくは、可愛い子がびっくりしている、という設定なのだろう。
「調子に乗んなよ!」
「ふっ」
「このクソがっ!」
「……騒ぐな。ふっ」
「クッソ!!」
徐々に点差が開いていく。
清起の不思議な力の前には、誰も為す術がない。
「かっこつけに負けるわけにはいかないんだよ!」
「ふっ」
「テメェ!ザケンナ!」
「ふっ」
そして、やがて決着がついた。
「クッソォォォ!!」
蜂窩は悔しさのあまり、雄叫びをあげる。
隣で見ていた花園は、瞳を潤ませ、「ふぇぇ……負けたぁ……」などと、いかにもぶりっこな発言をしていた。
「はい。試合終了ですね」
清起が十点目を入れたのを確認した丹花は、落ち着いた声で言う。
「では、改めて結果発表を。二試合目は、秋春 聯轟&強貴 清起ペアの勝利です!おめでとうございます」
丹花は柔らかく微笑みつつ、二試合目の結果を告げた。
「次の試合が最終戦になります。頑張って下さい」
いよいよ最終戦。
羽根突き対決の勝敗は、続く三試合目の結果で決まる。
「3年1組は……」
「呑道 枯淡!」
「では、対戦相手を紹介しますね」
丹花は笑顔を崩さない。穏やかで柔らかな笑みは、決して消えることがない。
「雫月 焔(しずくつき ほむら)さんです」