Re: 雑談しようよ! 92!? 戯言語愛! ( No.239 )
日時: 2019/02/10 00:33
名前: 四季◆7ago4vfbe2 (ID: I2yuW6RM)

こんばんは。書いてみました。


 丹花に紹介され、現れた女子生徒、雫月 焔。

 彼女は、繊細な美しさのある容姿を持つ女の子であった。

 紺色の髪はさらりとしていて直毛。まるで絹糸のよう。また、肌は透き通るように瑞々しく、頬だけがほんのりと赤みを帯びている。唇は大きすぎず小さすぎず、柔らかな桜色。

「雫月 焔ですわ」

 化粧をしている感じはないのに睫毛は長く、まばたきする度、煌めきが散る。また、そんな長い睫毛に彩られた瞳は真っ黒だ。微かな傷も汚れもついていない宝石のような、真っ黒な瞳である。

「よろしくお願いします」

 それに、先ほどの清起はかなり貧乳であったが、彼女はそうではない。巨乳と言えるほどの大きさではないものの、胸はそれなりにある。

 そんな焔を前にして、枯淡はぶるぶると震える。
 恐怖ゆえではない。武者震いでもない。ただ、素敵な女子を前にして平静を保つことに必死なだけだ。

「これが最終戦になります」

 溢れる喜びを放出してしまわないよう努力する枯淡。彼がそんな風に戦っているとは知らず、丹花は淡々と進めていく。

「では、三試合目。呑道 枯淡VS雫月 焔。……開始!」

 丹花が開始を告げた。
 こうして、最終戦の幕が上がる。

 最初は、枯淡から。

「い、行くぞ!」
「お待ちしていますわ」

 枯淡の羽子板を握る手は震えていた。

 その理由は、もちろん、目の前に美しい女性がいるということもあるだろう。慣れないことに動揺しているのだ。
 しかし、理由はそれだけではない。
 親友の半天が近くにいないこと、というのもあるはずだ。
 いつもなら、緊張するような場面でも、彼と喋り合って気をまぎらわせていた。が、今はそれができない。

「おりゃ!」

 震えを振り払い、枯淡はシャトルのようなものを打つ。

 焔は構える。
 その黒い瞳は、宙を舞うシャトルのようなものの動きをじっと捉えていた。

「はいっ」

 羽子板を振る焔。
 彼女の羽子板は、シャトルのようなものに確実に当たった。

「うわわっ」

 返ってくるということを忘れていた枯淡は、対応しきれず、シャトルのようなものを落としてしまった。打ち返せず、いきなりの失点。

「やりました……!」

 先制した焔は、胸の前で小さくガッツポーズをした。