こんばんは。書いてみました。
先制したのは焔。
しかし、対決は始まったばかり。
「行かせていただきますわ」
「も、もう待ってるぞ!」
次は焔からだ。
焔はシャトルのようなものを羽子板で打ち、枯淡に向けて飛ばす。シャトルのようなものは、枯淡に向かって直進する。飛ぶ速度もそこそこ速い。
「おりゃ!」
「はいっ」
「おりゃりゃ!」
「はいっ」
「おりゃりゃおりゃ!」
ラリーは続く。
「おりゃりゃおりゃりりゃ!」
「はいっ」
枯淡はシャトルのようなものを落とさないよう、確実に打ち返していく。彼にしては慎重だ。
「おりゃりゃおりゃりりゃおりゃ!」
「せいっ」
「おりゃりゃおりゃりりゃおりゃりゃ!」
「はいっ」
かなり頑張っている枯淡だが、焔も負けてはいない。
シャトルのようなものは、比較的、彼女から離れた位置に飛んでいく。が、そんな状態でもまったく慌てず、着実に打ち返していっている。
「おりゃりゃおりゃりりゃおりゃりゃお!」
「くっ……はいっ!」
「おりゃりゃおりゃりりゃおりゃりゃおりゃりるか!」
枯淡は決めにいく。
シャトルのようなものを確実に捉え、凄まじい勢いで打った。
「……っ!」
今度は枯淡に一点目が入った。
「やりますわね」
「ま、負けないぞ!」
「さすが。そのくらい勢いのある殿方との方が、やる気に満ちますわ」
焔の桜色の唇。リップを引いているのかしっとりと濡れたそれに、枯淡は釘付けになる。
「早く始めて下さい」
ぼんやりしていた枯淡に、丹花からの注意。
枯淡は慌ててシャトルのようなものを打った。
——が。
「ああっ!」
焔の強力な打ち返しにまったく反応できず、枯淡は二点目を入れられてしまった。
だが、今のは決められるのも仕方ないかもしれない。
もちろん、ぼんやりしていた枯淡にも非はある。しかし、焔の返しが強烈であったことも確かだ。
「ここからは本気でいきますわよ」
「ぐ……」
「覚悟して下さいませ」
焔の真っ黒な瞳が枯淡を捉える。
「頑張頑張る頑張るぞっ!」
枯淡は気合いを入れ直す。
「ふふ。言葉だけなら誰でも言えますわよ」
「もう取らせん!」
「お手並み拝見、ですわね」