こんばんは。書いてみました。
シャトルのようなものを片手に握っているのは、枯淡。
枯淡は少し力んでいる。
なぜなら、ここで点を取れば勝利だからである。
あと一点ゆえ、あっという間に取ってしまえそうではある。しかし、だからこそ緊張するというものなのかもしれない。少し、ほんの少しだからこそ、である。
「行く行くよ行くんだぞっ!」
枯淡は顔をやや引きつらせつつ、シャトルのようなものを打った。
——こうして、ラストになるかもしれないラリーが始まった。
「おりゃっ!」
「はい!」
「おりゃりゃっ!」
「せい!」
「おりゃりゃりゃっ!」
シャトルのようなものは、やはり、焔から離れた位置に飛んでいく。嫌がらせか、というくらいに。
それでも、焔は諦めない。
「くっ……はいっ!」
「うお!?」
「せいっ!」
「ここまで来たんだ!負けないぞ!」
激しいラリーは続く。
丹花はその様子を穏やかに見守っている。
「はいっ!」
「負けないぞ!」
「……それはこちらも同じことですわ」
シャトルのようなものの奇妙な飛び方に翻弄されつつも、焔はコートを懸命に駆け、何とか打ち返す。
「おりゃりゃっ!」
「はいっ」
「おりゃりゃっりゃりゃっ!」
激戦は続く。
「はいっ」
「おりゃりゃっりゃりゃっりゃおりりゃっ!」
「せい!」
「おりゃりゃっりゃりゃっりゃおりりゃっおりゃりゃっ!」
皆が見守る中、激しいラリーが続く。
「おりゃりゃっりゃりゃっりゃおりりゃっおりゃりゃっおりおん!」
「ふっ……!」
「おりゃりゃっりゃりゃっりゃおりりゃっおりゃりゃっおりおんおりゃりゃっ!」
「せいっ!」
「おりゃりゃっりゃりゃっりゃおりりゃっおりゃりゃっおりおんおりゃりゃっりやりやっ!」
——五十分後。
ついに、勝敗が決まった。
「……っ!」
枯淡が叩き込んだシャトルのようなものが、見事、焔側のコートに落下したのである。
これは、完全な勝利だろう。
「はい。試合終了ですね」