こんばんは。書いてみました。
第十章 一から始まる新年と一々煩い人間共、一年中盛り合う世界、一巡しても、変わらない世界、一周しても、変わらない世界
三殊たち3年1組メンバーは、次のステージへと進んだ。
これまで残してきた、牛歩を始めとする仲間たち。彼らのことを忘れている三殊たちではない。ちゃんとクリアできたのだろうか、という不安もかなり残っている。
けれども、今さら戻ることはできない。
三殊たちは仲間から「進め」と言われた。
そして、先に進むことを選んだ。
だから、ただひたすらに進む以外に選択肢はないのである。
そんな三殊たちを待ち受けていたのは、強風が吹き荒れている空間だった。
三殊たちは周囲を見回す。そんな中で、部屋の端に巨大な送風機があることに気がついた。この空間に吹いている凄まじい風。それはどうやら、その巨大な送風機から来ているようだ。もちろん説明があったわけではないが、3年1組メンバーたちはそれをすぐに理解した。
そんな彼らの前に、突如、一人の女性が現れた。
「うふふ」
非常に背が高く、凄まじい爆乳の女性だ。
その胸元の迫力といったら、月といい勝負をできそうなくらいである。
そんな彼女は、胸を揺らしつつ柔らかく微笑み、当たり前のように多々良を抱き締めた。
——3年1組メンバーに、衝撃が走る。
「釈迦医師 多々良、この小さいのが……」
彼女の、天災のごとき突然の行動には、さすがの多々良も驚いたようだ。衝撃を受けたような顔つきをしている。
「離せブス!?」
「ごめんごめん?君はあの伊良部校長と『関わりがある』から、絡んじゃった」
爆乳の女性は、歌うような調子で言いつつ笑う。
——関わりがある?
多々良を除く3年1組メンバーは、皆、怪訝な顔をしていた。爆乳の女性が軽やかに発した言葉が、かなり意味深だったからである。
誰もが『どういうことだ……?』と思っていたに違いない。
しかし、3年1組メンバーのうちの誰かが多々良に質問するより早く、爆乳の女性が話し始めた。
「ごめんなさいねー、いきなりお騒がせしてしまって」
マシュマロみたいな声だ。
「私は、英恵 丹花(はなえ たんか)と、申します。以後お見知り置きを。それじゃあ、この部屋についての説明をしますね」
胸は空気を入れすぎた風船のように大きく、表情は微笑が愛らしい。さらに、柔らかく甘いマシュマロのような声。
これはもう、理想の女性コンテストで優勝できるかもしれない。