Re: 雑談しようよ! 92!? 戯言語愛! ( No.451 )
日時: 2019/04/14 01:28
名前: 四季◆7ago4vfbe2 (ID: WucVI7aI)

こんばんは。書いてみました。


 三回目、お互い市民として生まれ育ち、それでも二人は出会った。それは決まりきった、変えられない運命だったのだろうか。市民など、星の数ほど存在していて。知り合うことなく死んでいく人の数の方が多いはずだ。なのに出会った。多々良と伊良部の生まれ変わりは、出会ってしまった。そしてまた、これまでと同じような終わり方をした。

 強い縁——それはもはや、呪いなのではないだろうか。

 多々良から救いようのない前世を聞かされ、三殊は、段々そんな風に思ってきた。

「それで、多々良くん」
「何だ」
「前世はまだあるのかい?」

 すると、多々良は頷いて、「あぁ。長い話になった悪いな」と言った。それに対し三殊は、そっと首を横に振る。その動作を目にした多々良は、ほんの少し柔らかい表情になった。

「四回目、俺は警官で、あいつは刑事だった」

 これまでとは違った展開に、三殊は少しばかりワクワクしてしまう。他人のこと、しかも不幸なことでワクワクするなんて駄目だと、そう分かっていながらも。

「俺は、薄野 白羅(すすきの はくら)という名でな、普通の暮らしをしていた。三回も転生していれば、勉強も苦労しなかったしな」

 淡々と話す多々良。

「そこで俺は良いことを思いついた」
「良いこと?」
「そう。『警官になって、クゥロを殺そう』と考えたんだ」

 多々良の口から出た物騒な発想に、三殊は暫し戸惑った。

 ただ、多々良が悪いとは思わない。
 悪いのは、こんなことを繰り返させている、運命の方だろう。

「殺す……そっか。でも、狙ってそんなことができるもの?」
「警官になれば殺れるかもしれないと思っていた」
「……思っていた、なんだね」

 つまり、成功しなかったということか。

 三殊は密かに思う。

「あぁ。そうして俺——薄野 白羅は、警官になった」
「本当になれたんだね」
「俺は、一度決めたことを変えたりはしないタイプだからな」

 そう。
 だから今も、伊良部を殺すことを諦めていない。

「警官になってからの毎日は忙しくも充実していた。だが、またしてもそれを壊すやつが現れた」
「彼だね」
「そうだ。沙汰 共起(さた きょうき)という先輩が配属されてきたのだが、彼こそが、クゥロの生まれ変わりだった。そう、伊良部だ」