Re: 雑談しようよ! 92!? 戯言語愛! ( No.511 )
日時: 2019/05/05 00:02
名前: 四季◆7ago4vfbe2 (ID: j.ZbBZG2)

こんばんは。書いてみました。


 多々良——否、太陽ヶ原 サン。

 彼女は、魔法少女として、戦いを続けていたらしい。

 そうして何度も敵を倒していくうちに、サンは、同じ魔法少女がが黒幕であると知ったそうだ。

「黒幕なんてよく分かったね」
「戦いを繰り返していくうちに真実へ近づいていく。それはよくあることだろう」
「そっか……」

 そのような経験のない三殊には、いまいち理解できなかった。

 黒幕の魔法少女の名は、五月野 名月(さつきの めいつき)。
 月がやたらとついた個性的な氏名だが、彼女こそが転生した伊良部だったのである。

 互いの正体が発覚した後、サンと名月はお互いの姿に大笑いした。
 だが、そこは仕方がない。なんせ、女性同士で顔を会わせるのは、この時が初めてだったのだから。

「あの時はさすがに笑ってしまった。懐かしいな」
「それは、まぁ……うん。お互い女性だなんて、笑ってしまうよね」

 それは三殊にも理解できる。

 少女になった知人男性を見たら、驚くとともに吹き出してしまうだろう——三殊はそう思った。

「だが、いつまでも笑っているほど暇ではないからな。しばらく笑ってから、速やかに笑いを止めて、全力での勝負を行うことにした」

 多々良は淡々と語る。
 そんな彼を、三殊はじっと見つめる。

「あれは凄まじい戦いだった。魔法の雨が降り注ぎ、血の湖が広がる……そんな戦いだった」

 二人の全身全霊の攻撃がぶつかり、結果、あまりのエネルギーに街一個が崩壊したらしい。そして、サンも名月も、同士に息絶えたという話だ。

「街一個が崩壊って……信じられないエネルギーだね」

 とても現実とは思えないことを言われ。しかし、今の三殊には、それが真実であると分かった。多々良の言葉を信じることができた。

「俺も、まさかあんなことになるとは、想像していなかった」
「だろうね」
「街のやつらには悪かったな」
「まぁ、仕方ないことだよ」

 すると多々良は、三殊へ視線を向け、ほんの少しだけ口角を持ち上げる。

「そう言ってくれてありがとな」

 多々良からいきなり礼を述べられた三殊は、何だか気恥ずかしくて、多々良から目を逸らす。少し、困ったような表情で。