こんばんは。書いてみました。
唐突に現れた爆乳の女性——英恵 丹花は、微笑みながら、マシュマロのような柔らかく甘い声で説明を始める。
「此処では『羽子板で羽根突き』をしてもらいます」
これまた意外な内容。
三殊を含む3年1組メンバーたちは、驚いた。
しかし、内容に驚いたからといって、騒いだり喚いたりしている暇はない。そんな余計なことをするくらいなら、その間に対策を考えるべきなのである。
「あぁ、ちなみに。あの、お正月で有名なやつですよ?」
なるほどな、と思いつつ話を聞き続ける3年1組メンバー。
「このシャトルみたいな物を交互に打ち、地面に落とした者の負けです。そして、勝敗の決定はというと、合計十回落とした者の負けとなります。負けた場合ですが、貴方は『文武学園に入学できない』、そういうゲームです」
丹花からざっと説明を聞き、ドキドキする3年1組メンバー。
「そしておまけに、貴方達の背後には強風が吹き荒れるゾーンがあります。なので、くれぐれも『背後の事にも気をつけて』おかないとダメですよ?」
そんな風に話す丹花は、笑顔。
決して派手な笑みではないが、その野に咲く花のように可憐な笑みは、見る者の心を貫く。
「なるほどな?それじゃあ、用意するメンバーは何人だ?」
多々良がそう問うと、丹花は軽やかな口調で「四人よ」とだけ返した。
3年1組メンバーたちは、集まり、誰を出すかを考える。
羽子板で羽根突きをした経験のある人なんて今時あまりいない。となると、経験で有利という者を出すことは難しい。なら、何をもって選ぶのか……。
そんな時だった。
「オレが出る!」
枯淡が挙手してそう言った。
「では、あたくしも」
「はななも頑張るぅーんっ」
「仕方ないなー。役立たずばっかじゃ何も変わんないだろーから、アタイも参加してやる」
教 鏡花(おしえ きょうか)、桃井 花園(ももい はなぞの)、芳澤 蜂窩(よしざわ ほうか)も、枯淡に賛同する。
こうして決まった四人の試合を見るため、多々良と三殊は座って見続けていた。しかし、枯淡に「お前たちは先に進め」というようなことを言われ、二人は仕方なく先へ進むことにしたのだった。