>>513 ヨミさん
十二国記、実は「最初の巻」っていう具体的な定義がない作品なので……。
ヨミさん、ホラーは好きですか? ならば最初に「魔性の子」を読むことをお薦めします。どの巻から読むかによっても印象が変わってくるので……。
あらすじ、とりあえず二つ紹介しておきますね。お好きな方から読んでみて下さいなー。
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【月の影、影の海】(最初の巻と言われている話)
中嶋陽子は普通の高校生だ。彼女はある時期から、自分が魔物に襲われている夢を見ていた。
ある日のこと。彼女の高校にやってきたのは、謎めいた金髪の青年。ケイキと名乗った彼女は陽子の前にひざまずき、忠誠を誓うなどと言ってきた。
混乱する陽子。ケイキに連れられてやってきた先は見たこともない世界。しかしそこで魔物の大群に襲われ、陽子はケイキとはぐれてしまう。
見たことのない世界、名前も知らぬ異界。しかし何故か言葉は通じる。
そこに住む人々と出会い、時に彼らを裏切り裏切られながら、ボロボロに傷ついた放浪の果て、陽子は己の出生の秘密、自分の正体を知る。そして行方不明になったケイキと再会するため、動き出す――。
途中でとても重い展開がありますが……「ネズミが出るまで頑張って」下さい。
ファンタジーがお好きならば、これから読み始めるのがいいかも知れません。世界観に入りやすい作品です。
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【魔性の子】
新人教員の広瀬は、自分が勤めることになった高校で奇妙な生徒と出会う。
高里という生徒は「幼い頃に神隠しに遭い、それ以来、彼を傷つけた者は祟られる」という噂のある子だった。高里自身は内気な性格で、誰かを傷つけようなどと考えたこともない。ただ、彼の周囲には神隠しの日から、死傷者が絶えなかった。
そんなある日のこと、高里を殴った生徒が怪我をした。高里をいじめた生徒が凄惨な事件に遭った。「高里の祟りは本物だ」と、クラスメートたちは腫れものに触るように高里を扱った。
そしてある日、とんでもない事件が起きて――。
高里の過去。それは十二の国のある世界に繋がるもの。
神隠しに遭っていた時の記憶を全て思い出した時、高里の取った決断とは。
これは十二国記の世界観を知らないからこそ、純粋にホラーとして楽しめる作品です。十二国記の世界を知った後だと感動が薄れてしまうので読む順番にはお気を付けを……。
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【十二国記シリーズ全体のお薦めポイント】
・ハッピーエンドに妥協しない、厳しい世界観
→人は普通に裏切るし、簡単に死んでいく。その中にこそドラマがある。
・最初に読む巻を決めてしまえば、後は基本的にどの順番から読んでも構わない。
→ただし、「月の影 影の海」「風の海 迷宮の岸」→「風の万里 黎明の空」→「黄昏の岸 暁の天」はこの順番で繋がっているのでその点は注意を……。
・作者の圧倒的な文章力
→同じ「つくえ」でも何通りもの漢字を使います。机、卓……など。それらを見事に使い分ける作者の文章力、そして現実世界とは全く違う世界の文化の描写力には驚かされてばっかりです。
・中国神話の要素が一部ある
→西王母、蓬莱など。その辺りの知識があるとより楽しめるかもしれません。
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熱く語りましたが、こんなものでしょうか……。
十二国記は本当に面白いので! お薦めです!
創作の勉強にもなるかも知れない? です。
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>>514 蜂蜜林檎さん
“甘くない”んですよねぇ、この話は。
おおー、買われたのですか! ぜひぜひ、読んでみて下さい!
とっても感動出来ますし、色々と考えさせられますから……。