【クリスマス】
「優しい贈り物」
「ジングルベ~ジングルベ~鈴がなる」
クリスマスに流れる有名な曲が聞こえる。
クリスマスは子供達にとって、楽しみな日であり僕にとってはあの日を思い出す日だ。
あの日、泣き虫だった僕と約束したよね。「もう泣かない」って。それが君の最後の言葉。
だから苦しくても、泣きたくても我慢する。
だって破ってしまったら君との「何か」が無くなるかもしれない。そう思うと我慢してしまう。
君との約束はどんなにも愛しく、どんなにも苦しいものだろう。
『メリークリスマス』
そんな優しい声が、ずっとずっと聞きたかった声が、風に乗って聞こえた気がした。
すると僕は泣いてしまった。君との「何か」が無くなってしまう。そんなことはどうでもよかった。
ただ、嬉しくて、でも寂しくて複雑な感情が混ざりあう。
なんとか感情の波がおさまると、僕も呟いた。
「優しい贈り物をありがとう。メリークリスマス」