【クリスマス】
「君への贈り物は、」
スマホの電源を入れると、トップに出てくる日付。
いつもはなんでもないその手のひらの中に、今日は少しだけ心がときめく気がした。
淡い約束と夢が叶う日。
ドアを開ける。
君を見て、それだけで胸がいっぱいだ。
過去から取り戻した記憶がある。
俺と君、二人で顔を寄せあって約束した。
『十年後のクリスマスは、きっと一緒にいる』
と。
その十年後が今日だ。
あまりにも幼すぎる頃のちょっとした一言だった。
でも君は優しいから、そのことをちゃんと覚えていてくれた。
そんな君だから、俺が一緒にいて守らなくてはいけないと思った。
二人の息が白く染まる。
「俺からのプレゼント、貰ってくれる?」
君の瞳には嬉し涙が浮かんでいた。
もう一回、約束しよう。
君を幸せにする。