【一番星】
街ゆく人達は、心なしか足早に道をゆく。寒さのせいか、それとも浮足立っているからか。
商店街の大きな杉の木は電飾や飾りできれいに飾られていて、てっぺんの大きな星飾りが今日の一番星だ。
家でもツリーの飾り付けを楽しもうと思ったのは、隣を歩きながらも私には目もくれない君に妬いたから。
彼女へのクリスマスプレゼントを選ぶのに付き合ってほしいなんて。私の気持ちも考えずに言うのが悪い。
家に帰って、なんの飾りもついてなかったツリーに飾り付けをしていく。
電飾の代わりに、長くて生暖かい腸を巻いて。あなたの肝臓、あなたの膵臓、あなたの腎臓、可愛くて飾れたね。
商店街のツリーにあった一番星。それに負けず劣らず、私の一番星はあなたの生首。
「メリークリスマス」
シャンパンをあけて、あなたを食べる。窓の外では雪が降り始めていた。
はじめまして、前から参加してみたかったので書いてみました。よろしくお願いします。