Re: トンボさえ語る時代 短編夏祭り開催中! ( No.719 )
日時: 2022/09/01 23:01
名前: ぷれ (ID: 6VT.MWz6)

たまはるという名のぷれです。二つ目の投稿します

【短編夏祭り】「守り、護る」

俺の叔父は、5年前に亡くなった。
肝臓がんだった。口数はあまり多くない印象だったが、とても優しくて俺は大好きだったんだと思う。そんな叔父が亡くなったと思うと、ショックでしかなかった。

気づけば、叔父が亡くなってから5年経っていた。
月日が過ぎるのは早いと思う。当時小学生だった俺は、すっかり中学生になってしまった。
そして、俺はお盆ということで祖父母の家に居た。
「おいと、おっちゃんの墓に行ってきてくろや」
祖母にそう言われ、俺は弟と一緒に叔父のお墓に行った。
「おっちゃん、元気かい?俺は元気だよ」
俺は、叔父のお墓に話しかけた。弟は、なにもせず畑で野菜を見ていた。今思ったが、お供え物か何か持っていけば良かったと思っている。

「おい、もう帰んぞ」
弟に言われ、叔父に挨拶した。
「おっと...。じゃあね、おっちゃん。また今度」
そうして、お墓を後にした。
祖父母の家に帰る道中、
「俺、おっちゃんがマモってくれてると思う」
「なんして」
俺が聞き返すと、表情を一切変えずに答えた。
「根拠はないけど、マモられている感じがする」
「そうかい」
弟が言った"マモる"は、守るなのか護るなのかは分からない。
でも、俺は叔父が見てくれていると信じている。