Re: ただのヲタク少女の雑談です【春季企画】 ( No.624 )『春季パーティー参加』
【”晴れ雨男”の春人くん】
春生まれの春人くん。
彼は桜を思わせるふわっとした容姿を持っていて、誰からもモテていた。
それと、彼は晴れ男みたいな特性もある。
彼が楽しみにする行事の日には、決まって温かく柔らかい、綺麗な晴れ雨が降るのだ。
僕は、その晴れ雨が、好きで、好きで……―――気付けば、春人君のことも好きになっていた。
今度の日曜日は、春人くんの誕生日。
「あのっ……!」
ほかの女の子にいっぱい誘われてるのを知っていた。
自分は断られるだろうことも知っていた。
けど、僕は……―――勇気を振り絞って、言った。
「今度の日曜日、僕の家に来てくれませんか……!」
「うん、いいよ」
まさか承諾されるとは思ってなくて、それからずっと浮かれっぱなし。
……今度の日曜日、初めての恋を、初恋の人に告げる。
「……はぁ……」
緊張する……。
―――当日。
……ぜんっぜん、眠れなかった……!
えっと、約束の時間は十時半だから……片付けしてよう。
外に出て、約束の場所まで走る。……途中から、ぽつぽつと雨が降ってきた。
……少しだけ、日差しが覗く雨、が。
「春人くん……っ!」
彼が振り返ったときに、見計らったように雲が引いて……光が、春人くんにさして……。
「あ、ゆきくん」
綺麗な、晴れ雨が、春人くんを更にきれいにさせる。
「……好き、です!」
気付けば、言葉がこぼれていて、
「うん、俺も」
気付けば、そう返ってきていた。
「……ッ!」
今僕が泣くのは、悲しいからじゃない。
嬉しくて嬉しくて、たまらないから泣くんだ。
そう、まるで……―――晴れ雨のように。