梅雨パーティ参加
【降り止まない雨と大切な絆と】
パサッ………
「ねえポップ兄ちゃん、帰りに僕たちの家寄って行かない?」
「ばーか。そうしたいのは山々なんだけど、今はどうするか決め兼ねてんだよ!」
「…。残念だなぁ、今日は僕の兄ちゃんがいつも以上に張り切ってんだけどなぁ〜……」
「……………」
最低だよな俺ァ、折角の子リンクからのお誘いを断るなんて男として最悪だぞ。
そういやぁ姫さんも今日はゼルダの姫さん家で泊まりがけの勉強会やるって、講義終わる間際に連絡が来てたんだよなぁ。
どの道家に帰っても、ダイの奴もマァムと一緒にルイージ先生とマリオ先生の家に泊まるって言ってたっけ。
……気持ち的には子リンクの誘いに乗りたいとこだが、こん時ァどうしたらいいんだよ畜生!!
ピロピロピロ……
「…。何でタイミングよく掛けてくんだよ、ヒュンケル!」
『その声はポップか、事の状況はマルスから聞かせて貰ったぞ! 滅多にない友人からの貴重な誘いを断るとはどういうつもりだ?』
「うっせぇ。いつまでも勝てねぇてめぇ何かによ、俺の何が分かるってんだよ!!💢💢💢💢💢」
『全く…。そうやってムキになるから、周りの事に気付かないんじゃないのか?』
「うぐっ………」
『ふっ。少しでも俺に勝てる自信があるならまずは、子リンからの誘いを素直に受け入れる事だぞポップ!』
「…。悔しいけど分かったよ、まあ…素直になれなかった俺も悪かったしよ…」
『それでいい。但しポップ、引き受けたからには自分自身を見つめ直す事を第1に考えろよ。それ自身でさえ出来なければ、いつまで経ってもオレには勝てんぞ?』
「だ〜。やっぱ前言撤回だ、ほんっとにテメェって奴はマジでムカつくなくそっ!!💢💢💢💢💢」
『おっと。そろそろ切るぞ、先程からマルスに呼ばれているのでな!』
「ふっざけんな! そんなら二度と電話寄越すんじゃねぇよ、畜生!!💢💢💢」
あ〜、マジで腹立つ野郎だ。
確かに今の俺自身を見つめ直すのも大事だけどよ、完全にあの野郎にKOされちまってる事に気づいちまったじゃねぇかよ畜生!!
…あ〜悪ィ、決して子リンクに苛立ってんじゃねぇから安心しろよ。
なんて言いながらも子リンクの奴は、未だにビクビクしながら俺を見ているけどな。
「あのさ、さっきのお誘いだけど…付き合うぜ!」
「本当? 本当に来てくれるの?」
「ああ。今まで変な理由で断っちまってごめんな、こんな雨の日に伺いたくない理由なんて最初からねぇしよ!」
「やった〜! やっと来てくれるようになったんだね!」
「こ〜ら。駄目だよ子リンクくん、あまり走ると転んじゃうよ?」
「あっ……、それもそうだね8勇者くん! ごめんごめん♪」
俺もこんな頃とか、あった気が済んだわ。
初めてデルムリン島に先生と来た時なんてよ、最初から諦めモード全開だったもんなぁ。
今度のテストで追試になるのが嫌だからとは言え、俺自身が現実逃避するなんてカッコ悪いぜ。
それを阻止する為に、こうして一緒にいてくれる大切な友達の家で試験勉強をするって言うのもたまにはいいもんだよな。
そうじゃないとさっきの電話で言ってたあの野郎の言葉を1つずつ思い出す事になっちまうから、そこだけは何としてでも自力で阻止するしかねぇんだよなぁ。
その晴れない俺自身のモヤモヤは、未だに降り止まないこの雨の中をずっと彷徨っているかも知れない。
はい、3作目の投稿としてメインはポップ+子リンク+DQ8勇者くんです。
ちなみに電話口での参加のみとなったヒュンケルは友情出演ですけど、何故か素直に受け入れないのがポップ自身としてのプライドです。
期間が迫っていたのであまりほのぼのっぽくない展開になってしまいましたが、何とか間に合って良かったです。
それでは、宜しくお願いしますね。
感想期間になったら、他の皆さんのお話を上手く述べれるように努力しようと思います。